THE X-CHAPTERS

米国から本の話題をお届け

ミステリ好き注目! ネタバレ無しで2021年エドガー賞最終候補全6作品を語る

ミステリー小説界のアカデミー賞のような存在、エドガー賞*1。 先日、ふとした興味でエドガー賞を徹底捜査してしまった経緯は以下の記事の通り。選ぶ側の大変さに脱帽した。 blog.the-x-chapters.info 審査員たちの苦労に敬意を表し、今年2021年の長編小説部…

アメリカの図書館で最も文句つけられる問題本・禁止本、最新ベスト10

毎年この時期の恒例、アメリカ図書館協会(American Library Association)による「最も異議・抗議が寄せられた本ベスト10(Most Challenged Books)」が発表になりました。 昨年2020年の一年間で学校、大学、公共図書館に寄せられた、 「図書館から撤去すべ…

「すごい! くぎづけ! 必読本!もう眠れない!」・・・洋書のカバーに踊る宣伝文句「Blurb」が嫌われ過ぎ

現在、2021年のエドガー賞(ミステリ小説界のアカデミー賞みたいな賞)の最終候補作品6作全部を原書で読破しようと頑張っている。 その中の一冊の表紙が目を引いた。 イアン・マキューアンのお褒めの言葉が表紙に!! マキューアンと言えば、(特に英語で読…

英語が全然わからなくても絶対読める洋書を紹介する!!

これからご紹介する洋書の数々・・・英語が苦手、もしくは全然わからない方でも最後まで読めますよ。 だって英語が書いていないから!! そうです、今回取り上げるのは「Wordless Picture Book」と呼ばれるジャンルの洋書です。言葉を一切使わず、絵だけでスト…

【本棚探偵 第三弾】アマンダ・ゴーマン、ジェーン・グドール博士、ダニエル・カルーヤ、ジャレッド・レト

有名人の本棚を勝手に解析する本棚探偵、第三弾。 なんかコロナが落ち着いてきた(アメリカ基準でね)せいで、自宅の本棚の前からリモート中継出演してくれる有名人が少し減って、従来のスタジオでの出演に戻ってきている感じ。いいことなんだろうけど、本棚…

Z世界大戦の生存者たちのインタビュー集・・・新しい形式のゾンビ文学『World War Z』(by Max Brooks)

中国で発生した謎の疫病。 必死の隠蔽工作を繰り広げる中国。疫病はあっという間に各国を巻き込んだパンデミックに。しかし、人類はそのあまりにも常軌を逸した疫病を、自分の身に脅威が本当に迫ってくるまでどうしても現実的にとらえることができない。大国…

【エドガー賞徹底捜査】エドガー賞、誰がどうやって選んでる?

賞の名前に使われているエドガー・アラン・ポー先生。機嫌悪そう。 著名な米国の文学賞のひとつ、エドガー賞。 先日、2020年のエドガー賞長編部門大賞作品をすごく楽しみつつ読んだものの、ちょっと「・・・これが大賞?」という感じで、エドガー賞の権威自体に…

2020年エドガー賞受賞! 現代を舞台にしたゴシック・ミステリ、雰囲気は最高『The Stranger Diaries』(by Elly Griffiths)

『Stranger Diaries』米国版表紙 英国人作家エリー・グリフィスによる2019年3月刊行(本国イギリスでは2018年11月)のミステリー小説『The Stranger Diaries』を読んだ。 2020年のエドガー賞の長編小説賞の大賞を見事、受賞した作品。邦訳は見つけられず。今…

怪奇と魔法とSFと秘密結社とラヴクラフトと・・・人種差別! すごいマッシュアップ!『Lovecraft Country』(by Matt Ruff)

2016年2月刊行のアメリカ人作家マット・ラフによる小説、『Lovecraft Country』を読んだ。Lovecraft Country: A Novel (English Edition)作者:Ruff, Matt発売日: 2016/02/16メディア: Kindle版 残念ながら邦訳はまだ出ていない様子。 作品も作者も批評家には…

『レディプレ』原作第二弾、相変わらずの80年代全開、日本推しは前作より控え目『Ready Player Two』(by Earnest Cline)

極めてオリジナルであり抗いがたいノスタルジアに満ちている『Ready Player One』は、ジャンルを破壊してしまうほどの野心的で魅力的なデビュー小説だ。冒険小説あり、ラブストーリーあり、仮想スペース・オペラあり、それらが繰り広げられているのは、呪文…