THE X-CHAPTERS / Xチャプター

米国から本の話題をお届け

洋書

一組の男女の20年間を、毎年彼らの7月15日だけで綴った愛と友情と成長の物語『One Day (日本語題:ワン・デイ) 』(by David Nicholls)

英国の作家/脚本家デイヴィッド・ニコルズによる三作目の小説。本国では2009年刊行、その後アメリカなど外国でも大ヒットし、2011年にはアン・ハサウェイとジム・スタージェスが主演した映画版も公開。One Day作者:Nicholls, David発売日: 2010/02/04メディ…

自閉症を美化し過ぎでは? 自閉症はどこから来てどこへ行くのかに迫った渾身のノンフィクション 『Neuro Tribes(日本語題:自閉症の世界)』(Steve Silberman)

この本の著者スティーブ・シルヴァーマンはシリコン・バレーの科学・テクノロジー系のライター。 2000年代に、彼はシリコン・バレーの伝説の開発者やその家族に自宅取材を申し込みますが、二回続けて同じような返答をされます。「自宅には自閉症の子供がいる…

2020年ピューリッツァー賞受賞! "Black Lives DON'T matter"時代のフロリダの少年院で、自由を夢見た黒人少年たちの物語『The Nickel Boys』(by Colson Whitehead)

2019年7月刊行のコルソン・ホワイトヘッドの9作目の本。The Nickel Boys: Winner of the Pulitzer Prize for Fiction 2020 (English Edition)作者:Whitehead, Colson発売日: 2019/07/16メディア: Kindle版 2016年の『Underground Railroad(日本語題:地下鉄…

キング家長男ジョー・ヒル作、血ドバドバ涙ボロボロ目玉と首ゴロゴロのホラー+ダークファンタジー+青春マンガ『Locke & Key (日本語題:ロック&キー)Vol.1-6』(Story by Joe Hill, Illustrated by Gabriel Rodriguez)

ジョー・ヒルが作話を担当し、漫画家ガブリエル・ロドリゲスと組んだコミック・シリーズ。 ジョー・ヒルは、徐々に徐々に人気が出てきて「スティーブン・キングの息子」という前置きがされなくなってきましたね。 『Locke & Key (ロック&キー)』vol.1-6 初…

文学=暗い? ジョジョ・モイーズさんと英紙ガーディアンの読者が「ハッピーな文学」を探す!!

悲しくて気が滅入る題材ばかりで飽き飽きしています。でもラブコメ本じゃないものが読みたい。文学作品でハッピーな小説ってありますか? (56歳、匿名、ニューヨーク) I’m tired of sad and depressing themes, but want something that’s not a romcom in…

なぜか抗議活動のシンボルに祭り上げられた『Diary of Wimpy Kid (グレッグのダメ日記)』のマニー君。作者はちょっと可哀想

『グレッグのダメ日記(Diary Of A Wimpy Kid)』の弟、マニー君 昨日の夜、Wimpy Kidシリーズの作者ジェフ・キニーさんがTwitterで以下のようにつぶやいているのを見ました。 Lots of people are asking me right now how I feel about my character being …

インスタ発ベストセラー! 全米がやさしさに包まれた一冊で涙・・・のはずが私には判読すらできない『The Boy, the Mole, the Fox and the Horse(邦題:ぼく、モグラ、キツネ、馬)』(by Charlie Mackesy)

2019年秋に刊行されて以来、売れまくっている本。 アメリカの大手書店チェーン、バーンズ・アンド・ノーブル(B&N)のBook of the Yearにも選出され、年をまたいだ2020年6月現在もニューヨーク・タイムズの「アドバイス、ハウ・ツー等」のジャンルで第二位、…

”覚える系”のお勉強をしている方は一読の価値あり 記憶術の達人によるやる気の出る暗記テクニック本『Unlimited Memory』(Kevin Horsley)

『Unlimited Memory』表紙 ドラえもんよ私に暗記パンを出してくれ! 誰か私に「睡眠学習」なるマシンを買ってくれ~! 楽して覚えたいんだよー! こう心でため息をつきながらやみくもに丸暗記に励み、試験が終わったらあっという間に忘れていた虚しい学生時…

なんか本屋のほとんど全部の本の表紙に書いてある気がする「NEW YORK TIMES BESTSELLER」、どうしてそんなに大事?

アメリカの本の表紙にこれでもか!これでもか!と飽きずにプリントされている宣伝文句「New York Times Bestseller」。あまりによく見かけるので、私は「またか!他に言うことないんかい」と苦笑してしまいます。 以前、当ブログの記事にも書いた通り、アメ…

お子さんに「S〇Xって何?」って聞かれたらあなたはどう答えますか? 21世紀の性教育本感が満載『Sex is a Funny Word』(Written by Cory Silverberg, Illustrated by Fiona Smyth)

私の人生においてエポック・メイキングな瞬間があるとすれば、そのひとつは間違いなく、「ほとんどの大人はみんなS〇Xというものをしている!! 親も、まじめそーな先生も、えらそうなおじさんも、コワいおばさんも!! どんな高貴な人も!! そーりだいじん…

すごい野球愛!トム・ゴードン愛!ウォークマン愛!あまり知られていないけどキングの真骨頂だと思う『The Girl Who Loved Tom Gordon(邦題:トム・ゴードンに恋した少女)』(by Stephen King)

She was lost but would be found. She was sure of it. (私は迷子になったけど発見される。きっとそうなる。) Tom Gordon gotten the save and so would she. (トム・ゴードンがセーブしたんだから、私だって助かる。) From The Girl Who Loves Tom Gordon …

ハーラン・コーベン初のYAシリーズ おうちで暇を持て余してるティーンにも大人にもおすすめ・・・英語だけど『Shelter』『Seconds Away』『Found』(by Harlan Coben)

「俺の父さんは、死んでるのか生きてるのか?どっちなんだよ?」 「生きていますよ」正気なのかよくわからない笑みで彼女は言った。「あなたの中でね。」 老いた女性をひっぱたきたいと思ったことは今まで一度も無かったが、そうしてやろうかと思った。 「俺…

「公共の図書館にこんな本置くなっ!」全米図書館協会発表、抗議が多かった本の最新ランキング

「なんでこんな本を図書館に!? あんたのうちの本棚だけにしときな!!!」 こんな声が寄せられるのは、各地の自治体図書館、学校図書館の常のようです。 図書館に置いてある本や貸し出しが多かった本からその時代の人々の興味や関心が伝わってくるのは当た…

人体発火現象を起こす双子との出会いで主人公が見つけた新しい人生とは?『Nothing to See Here』(by Kevin Wilson)

日本でも、『地球の中心までトンネルを掘る(原題:Tunneling to the Center of the Earth: Stories)』『ファング一家の奇想天外な謎めいた生活(原題:The Family Fang)』などの翻訳小説があるベストセラー作家ケヴィン・ウィルソン。『ファング~』は、2…

おうち時間!? そんなかわいい名前で呼べない・・・

「おうち時間に皆さんは何をしているか教えて下さい」 「おうち時間 何してる?」 おうち時間? そんな生ぬるい時間など無い!!! 何してるか? 面倒見なくちゃいけない人の面倒みてるだけ!! ブログに記事にするような「何か」をする時間などゼロです。「…

マーガレット・アトウッド80歳、コロナ危機や隔離生活を語る。ご自身の隔離中の読書リストも!!

4月8日にカナダのレジェンド作家、マーガレット・アトウッドが、ニューヨークタイムズ誌のポッドキャスト番組に出演されました。ホストはアメリカ人作家のシェリル・ストレイド。 大御所によるなかなか貴重な対談だったと思うので、今回はその中のおもしろか…

ロリータ+MeToo? 15歳の少女と42歳の教師との関係は愛なのか虐待なのか『My Dark Vanessa』(by Kate Elizabeth Russell)

「私たちはよく似てると思うんだ、ネッサ」彼は囁いた。 「君の書いたものからわかるんだ、君は私のようにダークでロマンティックなんだってね。君はダークなことが好きなんだよ」 “I think we’re very similar, Nessa,” he whispers. “I can tell from the …

世界のこんまりアメリカで新著発表 取材でときめきいっぱいのコロナウィルス・ダイアリー公開

近藤麻理恵さんの新しい本『Joy At Work』がアメリカで4月7日に発売になります。Joy at Work: Organizing Your Professional Life作者:Kondo, Marie,Sonenshein, Scott発売日: 2020/04/07メディア: ハードカバー 今回の本はライス大学の心理学の教授との共著…

致死率99%の伝染病で文明が崩壊・・・それでもこの世界は愛おしく美しい『Station Eleven(邦題:ステーション・イレブン)』(by Emily St. John Mandel)

Hell is the absence of the people you long for. (From Station Eleven by Emily St. John Mandel) 地獄とは、会いたくてたまらない人々がそこにいないことだ。 (エミリー・セントジョン・マンデル著『ステーション・イレブン』より) カナダ人作家エミリ…

不法移民たちの命がけの逃亡劇と国境越え! 出版後の批判騒動のほうが興味深い『American Dirt(邦題:夕陽の道を北へゆけ)』(by Jeanine Cummins)

列車から落ちる者もいるだろう。多くが不具の身となるか負傷するだろう。多くが、死ぬ。あなたたちのうち実に多くが誘拐され、拷問され、人身売買に使われ、人質にされるだろう。それらを生き延び、アメリカまでたどり着ける幸運な者もいるかもしれない。そ…

小説の盗作はもはややりたい放題? 英語圏の有名盗作スキャンダル

盗作:Plagiarism 私のPCでは「とうさく」が「倒錯」で最初に変換されてしまうのはなぜ? Plagiarism、発音はプレーィジァリズムという感じ。よりカジュアルに「パクリ」という感じで使うなら「rip off」でしょうか。 先日、当ブログでも、アメリカで最近話…

ピンチをチャンスに!『Hey, Kiddo』のクロザウスカさんが休校期間中は毎日お絵かき教室を配信!

現在、米国某所のコロナウィルス感染拡大中の街から書いています。 とうとう私の住む自治体も、半ロックダウン状態になりました。映画館やカジノなどのエンターテイメント施設はクローズ、飲食店はテイクアウト以外は営業禁止、10人以上の集まりも禁止で警察…

中学校教師と女生徒の不毛な恋愛が疲れる 盗作騒動で話題の一冊『Excavation: A Memoir』(by Wendy C. Ortiz)

今年2020年、アメリカでヒット必須の本として、ケイト・エリザベス・ラッセルのデビュー作『My Dark Vanessa』という本があります。 簡単にあらすじを書くと、「本好きな中学生が自分のその知性をよく理解してくれる中学の国語教師と出会い深い関係を持って…

セラピストも人生に行きづまったらセラピーに行くのか?? プロの心理セラピスト兼作家によるセラピー業の舞台裏『Maybe You Should Talk to Someone』(by Lori Gottlieb)

歯医者さんは、歯が痛くなったら他の歯医者さんに行くのか? 自分で治療するのか? 美容師さんは、どこで自分の髪の毛を切るのか? 自分で切るのか? 人生相談の回答者は、悩みを誰かに相談するのか? 自己解決するのか? セラピストさんたちは、セラピーを…

「コロナウィルスで隔離されたら、どんな本読む?」米・巨大掲示板Redditより

コロナウィルスに関して、今のアメリカは日本とほぼ同じ推移を数週間遅れでたどっている感じです。感染者・発症者ゼロだった田舎の州でも、ちらほらと感染報告が聞かれるようになってきました。生活必需品の買い占めなどもニュースになってきたり、都市部で…

母はヘロイン中毒、でも青年はまっすぐに夢に向かって生きた。生い立ちに悩むすべての人に読んでほしい、実話のグラフィック・ノベル『Hey, Kiddo』(by Jarrett J. Krosoczka)

父のことをどうしたらいいか考えようとしているうちに、母の日がやってきた。母の日はいつだってメッセージカードを選ぶのが難しい日だった。 「お母さんは、いつだって僕のためにそこにいてくれたね」 「お母さんみたいな母親がいて、僕は幸運だ」 「お母さ…

元祖・ロマンス小説の表紙男ファビオ様、そしてファビオ様の記録を抜いたバカさん

ロマンス小説の顔、ファビオ様だ! ロマンス小説とラブストーリーに関して考察する記事にもちらっと書きましたが、私にはアメリカのロマンス小説の表紙の男が全員同じに見えます。 blog.the-x-chapters.info 皆さんもうちょっと個性を出せないものか、と思う…

ジョン・グリーン人気がよくわからない『Looking for Alaska (日本語題:アラスカを追いかけて)』(by John Green)

未来を想像するのはノスタルジアのようなもの 現在から逃げるために未来を利用しているだけ ジョン・グリーン、アメリカですごい人気があるYA作家です。ジョン・グリーン信者がいっぱいいます。 作家としても大成功していますが、ヴロガー(Vlogger、YouTuber…

アメリカのある連続レイプ事件が浮き彫りにする、レイプという犯罪の闇の深さ『A False Report: A True Story of Rape in America』(by T. Christian Miller, Ken Armstrong)

"Many detectives avoided sex crimes if they could. They weren’t as high profile as homicides; nobody came looking to do a movie about a rape case. " 「多くの捜査官ができる限り性犯罪を避けていました。性犯罪は殺人事件ほど目立たない。レイプ事…

ロマンス小説 VS ラブ・ストーリー

2月ですね。バレンタイン、楽しく過ごしましたか? 図書館や書店でも、この季節にちなんでロマンス小説のコーナーが作られているのを見かけました。私も、今日はニコラス・スパークスとロマンス小説に関して少し書きたいと思います。 皆さんはニコラス・スパ…