洋書
毎年この時期の恒例、アメリカ図書館協会(American Library Association)による「最も異議・抗議が寄せられた本ベスト10(Most Challenged Books)」が発表になりました。 昨年2020年の一年間で学校、大学、公共図書館に寄せられた、 「図書館から撤去すべ…
現在、2021年のエドガー賞(ミステリ小説界のアカデミー賞みたいな賞)の最終候補作品6作全部を原書で読破しようと頑張っている。 その中の一冊の表紙が目を引いた。 イアン・マキューアンのお褒めの言葉が表紙に!! マキューアンと言えば、(特に英語で読…
これからご紹介する洋書の数々・・・英語が苦手、もしくは全然わからない方でも最後まで読めますよ。 だって英語が書いていないから!! そうです、今回取り上げるのは「Wordless Picture Book」と呼ばれるジャンルの洋書です。言葉を一切使わず、絵だけでスト…
有名人の本棚を勝手に解析する本棚探偵、第三弾。 なんかコロナが落ち着いてきた(アメリカ基準でね)せいで、自宅の本棚の前からリモート中継出演してくれる有名人が少し減って、従来のスタジオでの出演に戻ってきている感じ。いいことなんだろうけど、本棚…
中国で発生した謎の疫病。 必死の隠蔽工作を繰り広げる中国。疫病はあっという間に各国を巻き込んだパンデミックに。しかし、人類はそのあまりにも常軌を逸した疫病を、自分の身に脅威が本当に迫ってくるまでどうしても現実的にとらえることができない。大国…
賞の名前に使われているエドガー・アラン・ポー先生。機嫌悪そう。 著名な米国の文学賞のひとつ、エドガー賞。 先日、2020年のエドガー賞長編部門大賞作品をすごく楽しみつつ読んだものの、ちょっと「・・・これが大賞?」という感じで、エドガー賞の権威自体に…
『Stranger Diaries』米国版表紙 英国人作家エリー・グリフィスによる2019年3月刊行(本国イギリスでは2018年11月)のミステリー小説『The Stranger Diaries』を読んだ。 2020年のエドガー賞の長編小説賞の大賞を見事、受賞した作品。邦訳は見つけられず。今…
2016年2月刊行のアメリカ人作家マット・ラフによる小説、『Lovecraft Country』を読んだ。Lovecraft Country: A Novel (English Edition)作者:Ruff, Matt発売日: 2016/02/16メディア: Kindle版 残念ながら邦訳はまだ出ていない様子。 作品も作者も批評家には…
極めてオリジナルであり抗いがたいノスタルジアに満ちている『Ready Player One』は、ジャンルを破壊してしまうほどの野心的で魅力的なデビュー小説だ。冒険小説あり、ラブストーリーあり、仮想スペース・オペラあり、それらが繰り広げられているのは、呪文…
『Ready Player One』米国版表紙 I held the Beta Capsule high over my head and pressed its activation button. 僕はベータカプセルを頭上に高くかかげ、起動のスイッチを押した。 There was a blinding flash of light, and the sky turned crimson as m…
『The Queen's Gambit』表紙 2020年の海外ドラマといえば「これ!」 とにかく有名人から一般人まで気持ち悪いくらい大絶賛の、チェスの天才少女の成長を描いたNetflixのミニシリーズドラマ、 『The Queen's Gambit(邦題:クイーンズ・ギャンビット)』。 予…
悪いことできないナンバープレート発見 2020年ももうすぐ終わりだし、私の今年のお気に入りのリストを皆さんに伝えたい。まずは、今年気に入った本から。第44代大統領とかいう人の『A Promised Land』もすごいいい本だと思うけど入れないでおくよ。皆さんに…
『The Thursday Murder Club』表紙 人を殺すことなど簡単だ。 死体を隠すところ、そこが難しい。 そこで捕まってしまうものだ。 だが私は運のいいことにちょうどいい場所を見つけた。 実に完璧な場所だ。 Killing someone is easy. Hiding the body, now, th…
『その「決断」が全てを解決する』洋書版表紙 長い目で見れば、マラソンを完走するほうがチョコレートケーキを食べるより幸福だし、子供を育てる方がビデオゲームやってるより幸福だし、やりくりが大変でも友達と小さなビジネスを始めるほうが新しいコンピュ…
(Amazon.com 商品紹介ページより)彼女はコロナの特効薬を開発するはずだった。 そのかわりに・・・愛してしまった。 ー(中略)ー 『Kissing The Coronavirus』は、許されぬ愛と暗い欲望を叶えるエロティックな物語。 M.J.Edwardsのデビュー小説であり、失業…
この間まとめた、米国の人気作家が自分を怖がらせた本を語る特集記事で、多くの作家に言及されていたシャーリイ・ジャクスン作の『The Hauting Of Hill House(丘の屋敷)』を読んだ。丘の屋敷 (創元推理文庫 F シ 5-1)作者:シャーリイ・ジャクスン発売日: 2…
『And Then You're Dead』より 突然ですが、皆さんは、以下のどれかのような状況を経験したことがあるでしょうか?飛行機搭乗中に上空で飛行機の窓が外れる。 ブラックホールに飛び込む 生きたまま墓に埋められる。 くじらに飲み込まれる。 サメに食いちぎら…
「外国を旅行中、強盗に何もかも盗られた! これじゃ帰国できない、すぐ現金送って!!」 「ゴールドでいっぱいの金庫を見つけた。輸送を手伝ってくれたら利益は山分け」 「モスクワに住む真剣な恋がしたい女の子です」 などなど、そんな迷惑メールが来たこ…
10月です。 日本だと怖い本や怪談話は真夏の風物詩ですが、アメリカでは10月がホラーシーズン。やっぱりハロウィンがあるから?? 怖い本、怖い映画特集をあちこちで見かけます。 中でも、ニューヨーク・タイムズの2018年の特集、人気作家たちに彼らを一番怖…
アメリカは、9月27日~10月3日まで禁書週間(Banned Books Week)でした。 全米各地の公共図書館や学校図書館で抗議殺到でBanされてしまったり、目立たない棚に移動させられてしまった本たちに脚光をあて、本の検閲に関して考える全米図書館協会主催のキャン…
ロバート・ガルブレイスa.k.a J・K・ローリング『Troubled Blood』 ロバート・ガルブレイスことJ・K・ローリングによる2020年9月15日発売の大人のミステリ大作『Troubled Blood』。私立探偵コーモラン・ストライク&ロビンのシリーズ5作目です。Troubled Blo…
JKローリング、ロバート・ガルブレイス名義で新作発表。トランスジェンダー関連の炎上のその後
洋書になった日本人作家の本の表紙。変なのが結構あるので、集めてみました。
『Atomic Habits』の原著表紙と日本語版表紙 2018年10月刊行後、一年も経たずに100万部突破。発売後まもなく2年が経過しようという今も、ニューヨークタイムズ紙ベストセラーランキングの「アドバイス、ハウツー」のジャンルで第3位、2020年8月第二週の米国…
80年代の映画スター、そして近年は『West Wing(邦題:ザ・ホワイトハウス)』などのテレビドラマでしぶとく活躍中の俳優ロブ・ロウ。 私の中では、「もてもてでちゃらちゃらしている顔だけの俳優で歳とって消えてった」という位置づけの俳優だったので、先…
どうして、こいつら ↓↓↓ はこんなに人気があるんだー!! 最近、こやつらの顔をあちこちで見かけます。 magnolia.com この方々は、チップ・ゲインズとジョアンナ・ゲインズという方々で、ご夫婦です。 私はテレビをほとんど観ないので乗り遅れましたが、いつ…
『博士の愛した数式』などで知られる作家小川洋子さんのエッセイが2020年8月6日付でニューヨークタイムズ・マガジンに掲載されました。 「How We Retain the Memory of Japan’s Atomic Bombings: Books(日本の原爆の記憶をどうやってとどめておくか:本)」…
To understand the “artist,” you must study his “art.” (「芸術家」を理解したいなら、その芸術家の「芸術」を理解しなくてはならない。)(-snip-)There is no substitute for experience, and if you want to understand the criminal mind, you must …
英国の作家/脚本家デイヴィッド・ニコルズによる三作目の小説。本国では2009年刊行、その後アメリカなど外国でも大ヒットし、2011年にはアン・ハサウェイとジム・スタージェスが主演した映画版も公開。One Day作者:Nicholls, David発売日: 2010/02/04メディ…
この本の著者スティーブ・シルヴァーマンはシリコン・バレーの科学・テクノロジー系のライター。 2000年代に、彼はシリコン・バレーの伝説の開発者やその家族に自宅取材を申し込みますが、二回続けて同じような返答をされます。「自宅には自閉症の子供がいる…