THE X-CHAPTERS

米国から本の話題をお届け

洋書

ワクチンに関する偽情報・誤情報の65%を流している12人、【Disinformation Dozen】はどんな著作を出しているのか

「7月4日の独立記念日までに、接種の資格がある国民の7割がCovid-19のワクチン接種を完了する」バイデン政権発足当初の上記の目標を、約一か月遅れで8月初旬についに達成したアメリカ。しかし、ここまで長かった。 ワクチンの数は充分にあり、ワクチン宝くじ…

オバマ元大統領、2021年の夏の読書リストを発表

まだホワイトハウスにいる頃、夏に気に入った本をシェアし始めて、今や楽しみな恒例行事みたいになってしまった。今年のリストはこれ。これらの本を、私と同じくらいみんなが楽しんでくれることを願っている。 (バラク・オバマ元大統領、7月9日のTwitterよ…

村上春樹の海外メディアとのインタビュー「過去の作品は、はき終わったパンツ」・・・疲れているのか?春樹

もしかして日本国内より、海外でのほうが熱狂的に崇拝されているんじゃないかと感じる作家、村上春樹。 日本出身です、と自己紹介すると、 「ハルキ・ムラカミが好きです!」 とすごく熱く返されることがあるんだけど、そのたび罪悪感を感じる私。だってだっ…

マイケル・ルイスのパンデミック検証本 ヒーローはCDCなんかじゃない!!『The Premonition(邦題:最悪の予感: パンデミックとの戦い)』(by Michael Lewis)

The Premonition: A Pandemic Story (English Edition)作者:Lewis, MichaelW. W. Norton & CompanyAmazon最悪の予感: パンデミックとの戦い作者:マイケル・ルイス,Michael Lewis早川書房Amazon 現在、アメリカ国内は、ワクチンばらまきが功を奏して、各地の…

さすがグラッドウェル、やや無駄もあるが面白いことは間違いない『Talking to Strangers(邦題:トーキング・トゥ・ストレンジャーズ 「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと)』by Malcolm Gladwell

我々は、他人と話をせざるを得ない。 特に現代のボーダーレスな我々の世界ではそうだ。 もはや村社会に暮らしているわけじゃない。 We have no choice but to talk to strangers, especially in our modern, borderless world. We aren’t living in villages…

ミステリ好き注目! ネタバレ無しで2021年エドガー賞最終候補全6作品を語る

ミステリー小説界のアカデミー賞のような存在、エドガー賞*1。 先日、ふとした興味でエドガー賞を徹底捜査してしまった経緯は以下の記事の通り。選ぶ側の大変さに脱帽した。 blog.the-x-chapters.info 審査員たちの苦労に敬意を表し、今年2021年の長編小説部…

アメリカの図書館で最も文句つけられる問題本・禁止本、最新ベスト10

毎年この時期の恒例、アメリカ図書館協会(American Library Association)による「最も異議・抗議が寄せられた本ベスト10(Most Challenged Books)」が発表になりました。 昨年2020年の一年間で学校、大学、公共図書館に寄せられた、 「図書館から撤去すべ…

「すごい! くぎづけ! 必読本!もう眠れない!」・・・洋書のカバーに踊る宣伝文句「Blurb」が嫌われ過ぎ

現在、2021年のエドガー賞(ミステリ小説界のアカデミー賞みたいな賞)の最終候補作品6作全部を原書で読破しようと頑張っている。 その中の一冊の表紙が目を引いた。 イアン・マキューアンのお褒めの言葉が表紙に!! マキューアンと言えば、(特に英語で読…

英語が全然わからなくても絶対読める洋書を紹介する!!

これからご紹介する洋書の数々・・・英語が苦手、もしくは全然わからない方でも最後まで読めますよ。 だって英語が書いていないから!! そうです、今回取り上げるのは「Wordless Picture Book」と呼ばれるジャンルの洋書です。言葉を一切使わず、絵だけでスト…

【本棚探偵 第三弾】アマンダ・ゴーマン、ジェーン・グドール博士、ダニエル・カルーヤ、ジャレッド・レト

有名人の本棚を勝手に解析する本棚探偵、第三弾。 なんかコロナが落ち着いてきた(アメリカ基準でね)せいで、自宅の本棚の前からリモート中継出演してくれる有名人が少し減って、従来のスタジオでの出演に戻ってきている感じ。いいことなんだろうけど、本棚…

Z世界大戦の生存者たちのインタビュー集・・・新しい形式のゾンビ文学『World War Z』(by Max Brooks)

中国で発生した謎の疫病。 必死の隠蔽工作を繰り広げる中国。疫病はあっという間に各国を巻き込んだパンデミックに。しかし、人類はそのあまりにも常軌を逸した疫病を、自分の身に脅威が本当に迫ってくるまでどうしても現実的にとらえることができない。大国…

【エドガー賞徹底捜査】エドガー賞、誰がどうやって選んでる?

賞の名前に使われているエドガー・アラン・ポー先生。機嫌悪そう。 著名な米国の文学賞のひとつ、エドガー賞。 先日、2020年のエドガー賞長編部門大賞作品をすごく楽しみつつ読んだものの、ちょっと「・・・これが大賞?」という感じで、エドガー賞の権威自体に…

2020年エドガー賞受賞! 現代を舞台にしたゴシック・ミステリ、雰囲気は最高『The Stranger Diaries』(by Elly Griffiths)

『Stranger Diaries』米国版表紙 英国人作家エリー・グリフィスによる2019年3月刊行(本国イギリスでは2018年11月)のミステリー小説『The Stranger Diaries』を読んだ。 2020年のエドガー賞の長編小説賞の大賞を見事、受賞した作品。邦訳は見つけられず。今…

怪奇と魔法とSFと秘密結社とラヴクラフトと・・・人種差別! すごいマッシュアップ!『Lovecraft Country』(by Matt Ruff)

2016年2月刊行のアメリカ人作家マット・ラフによる小説、『Lovecraft Country』を読んだ。Lovecraft Country: A Novel (English Edition)作者:Ruff, Matt発売日: 2016/02/16メディア: Kindle版 残念ながら邦訳はまだ出ていない様子。 作品も作者も批評家には…

『レディプレ』原作第二弾、相変わらずの80年代全開、日本推しは前作より控え目『Ready Player Two』(by Earnest Cline)

極めてオリジナルであり抗いがたいノスタルジアに満ちている『Ready Player One』は、ジャンルを破壊してしまうほどの野心的で魅力的なデビュー小説だ。冒険小説あり、ラブストーリーあり、仮想スペース・オペラあり、それらが繰り広げられているのは、呪文…

近未来と80年代が融合するオタク礼賛SF小説は、まるで日本へのラブレター『Ready Player One(邦題:ゲームウォーズ)』(by Ernest Cline)

『Ready Player One』米国版表紙 I held the Beta Capsule high over my head and pressed its activation button. 僕はベータカプセルを頭上に高くかかげ、起動のスイッチを押した。 There was a blinding flash of light, and the sky turned crimson as m…

本棚探偵、再び! 河野太郎大臣、シュワルツェネッガー氏、ヨー・ヨー・マなど

しょっぱなから色々と不穏・不安な2021年。 ここはやはり他人の本棚への飽くなき好奇心を追求することで、暗い現実から目を逸らすしかない。ということで、2021年、本棚探偵始動! 前回の本棚探偵は一挙9名で盛りだくさん過ぎたため、今回からは(まだまだや…

2020年大ヒット海外ドラマの原作本・・・ドラマのノベライズ本みたい『The Queen’s Gambit』(by Walter Tevis)

『The Queen's Gambit』表紙 2020年の海外ドラマといえば「これ!」 とにかく有名人から一般人まで気持ち悪いくらい大絶賛の、チェスの天才少女の成長を描いたNetflixのミニシリーズドラマ、 『The Queen's Gambit(邦題:クイーンズ・ギャンビット)』。 予…

オバマ元大統領の2020年お気に入り本を解説

悪いことできないナンバープレート発見 2020年ももうすぐ終わりだし、私の今年のお気に入りのリストを皆さんに伝えたい。まずは、今年気に入った本から。第44代大統領とかいう人の『A Promised Land』もすごいいい本だと思うけど入れないでおくよ。皆さんに…

英国から老人探偵団登場! 2020年下半期大ヒットのコージー・ミステリ『The Thursday Murder Club』(by Richard Osman)

『The Thursday Murder Club』表紙 人を殺すことなど簡単だ。 死体を隠すところ、そこが難しい。 そこで捕まってしまうものだ。 だが私は運のいいことにちょうどいい場所を見つけた。 実に完璧な場所だ。 Killing someone is easy. Hiding the body, now, th…

2020年は「本棚探偵」の年!! ジェフ・ベゾス、ティム・クック、ナタリー・ポートマンなど有名人の本棚の捜査結果

ナタリー・ポートマンさんのインスタ画像より 暗黒の2020年がもうすぐ終わります。 全地球が苦しんだそんな2020年が生んだ数少ない楽しみ、それは「本棚探偵」です!! 有名人と言う有名人がこぞって自宅や自分のオフィスの本棚の前から各種メディアに出演し…

2020年ベスト級のノンフィクション、6人の統合失調症者を生んだ大家族を通して統合失調症研究を追う『Hidden Valley Road』(by Robert Kolker)

『Hidden Valley Road』表紙 2020年4月刊行、オプラ・ウィンフリーのブッククラブの課題図書に選ばれて一気に話題になり、ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラーランキングNo.1、年末にはそのNYタイムズ紙はじめ、ウォールストリートジャーナル、タイム誌、…

800万部突破! ミレニアル世代のお兄さんからゆるふわ世代にお説教『The Subtle Art of Not Giving a F*ck(その「決断」がすべてを解決する)』(by Mark Manson)

『その「決断」が全てを解決する』洋書版表紙 長い目で見れば、マラソンを完走するほうがチョコレートケーキを食べるより幸福だし、子供を育てる方がビデオゲームやってるより幸福だし、やりくりが大変でも友達と小さなビジネスを始めるほうが新しいコンピュ…

ついにコロナウィルスが官能ロマンス小説に! くだらなさで話題騒然『Kissing the Coronavirus』(By M.J. Edwards)

(Amazon.com 商品紹介ページより)彼女はコロナの特効薬を開発するはずだった。 そのかわりに・・・愛してしまった。 ー(中略)ー 『Kissing The Coronavirus』は、許されぬ愛と暗い欲望を叶えるエロティックな物語。 M.J.Edwardsのデビュー小説であり、失業…

究極の「ご想像にお任せします」小説? 幽霊屋敷モノの古典にして傑作『The Hauting Of Hill House(丘の屋敷)』(by Shirley Jackson)

この間まとめた、米国の人気作家が自分を怖がらせた本を語る特集記事で、多くの作家に言及されていたシャーリイ・ジャクスン作の『The Hauting Of Hill House(丘の屋敷)』を読んだ。丘の屋敷 (創元推理文庫 F シ 5-1)作者:シャーリイ・ジャクスン発売日: 2…

想像するしかない超絶恐ろしい状況で人体には何が起こるのか? 虫関係がもうダメ・・・『And Then You're Dead』(by Cody Cassidy, Paul Doherty)

『And Then You're Dead』より 突然ですが、皆さんは、以下のどれかのような状況を経験したことがあるでしょうか?飛行機搭乗中に上空で飛行機の窓が外れる。 ブラックホールに飛び込む 生きたまま墓に埋められる。 くじらに飲み込まれる。 サメに食いちぎら…

迷惑メールに返信してみたことありますか?『Dot.Con: The Art of Scamming a Scammer』(by James Veitch)

「外国を旅行中、強盗に何もかも盗られた! これじゃ帰国できない、すぐ現金送って!!」 「ゴールドでいっぱいの金庫を見つけた。輸送を手伝ってくれたら利益は山分け」 「モスクワに住む真剣な恋がしたい女の子です」 などなど、そんな迷惑メールが来たこ…

10月は怖い本月間! NYタイムズ紙が人気作家に聞く「あなたの一番怖かった本、教えて!!」

10月です。 日本だと怖い本や怪談話は真夏の風物詩ですが、アメリカでは10月がホラーシーズン。やっぱりハロウィンがあるから?? 怖い本、怖い映画特集をあちこちで見かけます。 中でも、ニューヨーク・タイムズの2018年の特集、人気作家たちに彼らを一番怖…

禁書週間に全米図書館で過去10年間一番もめた本を読んでみた『The Absolutely True Diary of a Part-Time Indian(はみだしインディアンのホントにホントの物語)』(by Sherman Alexie)

アメリカは、9月27日~10月3日まで禁書週間(Banned Books Week)でした。 全米各地の公共図書館や学校図書館で抗議殺到でBanされてしまったり、目立たない棚に移動させられてしまった本たちに脚光をあて、本の検閲に関して考える全米図書館協会主催のキャン…

がんばれJKローリング!がんばれトランスジェンダー!炎上商法成功おめでとう『Troubled Blood』(by Robert Galbraith)

ロバート・ガルブレイスa.k.a J・K・ローリング『Troubled Blood』 ロバート・ガルブレイスことJ・K・ローリングによる2020年9月15日発売の大人のミステリ大作『Troubled Blood』。私立探偵コーモラン・ストライク&ロビンのシリーズ5作目です。Troubled Blo…