THE X-CHAPTERS / Xチャプター

米国から本の話題をお届け

Real Friends By Shannon Hale (Author), LeUyen Pham (Illustrator)

 

Real Friends

Real Friends

 

  アメリカの「Graphic Novel」のニュアンスは、「Sunny Side Up & Swing It Sunny」のレビューで触れたけれど、これもまたシリアスな“Graphic Novel”です。間違いなく、Comic、では無い。

  それにしても、良さがわからない本です。 Barnes & Nobleでも平積みされているし、Amazon.comでも評価自体の数も多く高評価されていることからして、多くの子供に好意的に受け入れられている本なのだろうとは思う。でも、この本に共感できる子供が多いということは、子供たちは相当暗く悩んだ日々を送っているということか。確かに、子供として生きることは辛いことも多い。自分では選ぶことすらできないし捨てることもできない家族のメンバーに悩まされ、学校でも友達付き合いがうまくできない。そんな子はたくさんいるというのはわかる。私にも、そういう日々はあった。生きていてもいいことなんかない、つらいだけ。私なんかひとりぼっち。しかし、そう思っている子供たちに、その気持ちを再確認させてどうする!! とにかく、ひたすら、暗い。君にはきっと本当の友達がいるよ、というようなクサいメッセージを盛り込めとは言わない。でも、この時期をしのげば何か楽しいことがある、とか友達や兄弟になんか期待するな一人でもいいんだよ、というようなことは伝えられないのか。ただただ、辛い辛い寂しい寂しいと目の前で泣かれているようなしんどい内容だった。

 それに、アメリカの学生向けの小説や映画って、どうしてこうも「学校の人気者と私」というような題材が多いのか。親友(だと思っていた子)が学校の人気者グループに入って自分が取り残された、というのは女子のメジャーな悩みや困難なわけ? 小学校高学年~中学校くらいの女の子向け小説は、この題材が吐いて捨てるほど使われている。あとは、どうやって人気者グループに気に入られるかとか、どれだけひどくいじめられたかとか、とにかく「人気者との関係性」は思春期の重要なドラマな様子。ランチで誰とどこに座るかの場面では、正直「またか、どうしてこのテーマがそんなに好きなんだ」と苦笑してしまった。

 ストーリーの最初の方にある、小学校二年生の頃の親友に男の子がむりやりキスしてうんぬん、というエピソードも不気味で変。図書館で借りてきて、9歳の娘に読ませた本だが、私が「お母さん、この本はあまり楽しめなかったなあ~好きになれなかったなあ」と言うと、娘もほっとしたように「そうだよね」と言っていた。

 ひとりぼっちでさみしい思いをしている子が読むと、「悩んでいるのは私だけじゃない」という救いにはなるのか。楽しい気晴らしからは程遠い、しんどい一冊だった。