THE X-CHAPTERS / Xチャプター

米国から本の話題をお届け

欲しがりません、減らすまでは・・・・・・

So this is Christmas
And what have you done
Another year over
And a new one just begun
(Happy Christmas, by John Lennon)

”さあ、クリスマスだね
君は今年どんなことをやった?
また一年が終わり、新しい年が始まるよ”

(『ハッピー・クリスマス』ジョン・レノン)

 11月のサンクスギヴィングデイが終わると、アメリカのラジオ局はクリスマスソング解禁です。
 そして、毎年毎年ラジオからジョンがこうやって↑繰り返し問いかけてくる。ほっといてくれ、ジョン! 聴くたびに、車のハンドルに頭をガンガンぶつけたくなります。悪かったねえ、大したこと何もやってないよ今年も。去年も。多分来年も。ジョンだって生きてたらやりたいこといっぱいあったろう(しかしまずジョンが生きてたら、この曲のヨーコのボーカルをなんとかしてくれと要求する)。ジョンのような人の分も、時間を大切に生きねばと思うものの、年末になると「今年もあれもこれもできなかった、終わらなかった」と思うばかり。
 しかし、まだ数週間「今年」はある。というわけで、私は毎年11月末から猛然と所有物の見直し、整理整頓、掃除に入ります。アメリカ人は、「Spring Cleaning」とか言って、春の始まりと共に大掃除をやるのが慣習らしい。暖かくなって窓を開け放って掃除できるからというのが理由なんだけど、そんな陽気のいい時期に家にこもってお片付けしたくない。日本人らしく、年内にやっつけてやる! 
 本ももちろん整理整頓の対象。こうして、本関係のブログを書き、他の方の書評ブログも熟読していると、欲しい本は増える一方で、今も新しい本が買いたくてウズウズしているけれど、絶対買わないぞ、この数十冊の本を減らすまでは!! (今、私の横には本がどさーっと入った箱があるんです)
 私が、海外で和書の処分に苦心していることは以前書いた通り。洋書はたいていの本はいつでも安く買い直せるんだし、ためらいもなく捨てたり寄付したりリサイクルのゴミ箱に入れられるんだけど。
hyakunennokodoku.hatenablog.com
 海外に出た日本人は、多分日本語の本に強い思い入れを持つと思います。日本にいる時よりも数倍。手放す本を一覧表にして在米の知人にメールで送って「欲しいのあったら送るよ」と本の里親探しに励むと、やっぱり欲しがる人が多いんですよね。これは、アマゾンさんが海外からキンドルの和書をダウンロードできないようにしているのが原因か。(抜け道はあるけれど)税金か何かの関係でそれをやるのはルール違反なんですよね。これから海外に長期滞在する人は、和書の電子書籍の購入に関しては対策していったほうがいいですよ。ここにはあえてその対策は書きません。「キンドル 海外」などのキーワードでグーグル先生にきいてみましょう。
 
 紙版の和書は、海外では購入にも手放すにも時間と労力を要します。所有欲を満たしてくれるし、人に譲ったりもできるし、データよりいいところたくさんあるのも確かですけどね。ああ、都会に住んでいればアメリカでもBook-Of〇があって、そこに持っていけば一気に片付くのに。既に読み終わった本を一冊一冊手にとって、「売るか・・・捨てるか・・・どっかにあげるか・・・」など、どう処分するか考えたり丁寧なことやってるから、片付けが進まない。
 
 まあ、読んじゃった本はまだいい。なんとかできる。でも、この未読本の量はなんだ! 30冊くらいある!?  私は日本に一時帰国した時に和書を主に古本屋さんから大量仕入れしてこっちに持って来るので、買ってから読むまでのタイムラグがかなり大きい。未読本の箱の中を眺めていて、ほとんどすべての本に対して今はもうあまり読む気が湧かないことに気づき虚しくなった。〇〇〇〇さん・・・この作家の本、面白そうだなと思ってまとめて何作も買ったけどもう興味を感じない・・・。それに我が母よ、『フランス人ママン 「強く生きる子」を育てる75の言葉』、『腸を元気にする食べ方』、『医者が考案した長生き味噌汁』・・・・・・なぜわざわざこんな本を荷物に入れて送ってくる? ただでさえ本が増えて困っているのに。こんなもん、人にあげる一覧表に入れるのもなんかイヤ。長生き味噌汁を飲む腸が元気なフランス人ママンか・・・・・・なれそうもない。でも読まないでゴミ箱に捨てたら、親にたたられそうだし。

 ・・・いかん、ここまで書いて気が付いたら、未読本の箱から拾った読み始めたら終わらない系のミステリ本をぱらぱらとめくり始めてしまった。あと少し・・・あともうちょっと・・・・・・などと自分を甘やかしているうちに数時間が経過する。これだから本の片づけは難しい。服の片付けや書類の整理ではこうならず一気に終わるのに。

 まあ、本を減らすのは来年でもいいか! あと数週間耐えれば、ジョンとヨーコの聞くのが苦痛な歌も流れなくなるだろう。こうやって自分をごまかしごまかし生きてそのまま死にそうな未来の自分が見えます・・・。

 それに、ジョンが「君は今年何かしたかい?」と歌っているのは、多分正確に言うと「君は今年、世界の平和や誰かの幸せのために、何かをしたかい?」ということだと思うのです。蔵書整理のことではない。一年の終わりに、自分や自分の家族のことだけではなく、何か小さなことでも誰かのために何かをしようよ、ということかと。
 私の本棚に学生時代から居座っている『世界を動かした名言』という本の「愛」の章から一言。

 たった一人の人だけ愛し、ほかのみんなのことなど気にかけないような、そんな愛など愛ではありません。それは、一緒に暮らすだけの結合か、さもなければ広い意味の自己中心主義です。―エーリッヒ・フロム(精神分析学者)

 自分や自分の家族さえよければいい、それだけやってればいい・・・そうなりがちな自分を考えさせられます。ジョンは、「ほかのみんなを気にかけろ」と言いたいのでしょうね。
 この言葉が載っている本、俳優や芸術家、ビジネスマンなんかのウィットに富んだ名言がいっぱいで、いつもどこから読んでもおもしろいです。ページ下に英語対訳が出ているので、英語の勉強にもなりますよ。古い本なのでもうどこにも売っていないと思いますが、古本屋さんで見かけたら是非手にとってみて下さい。

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『英文対訳 世界を動かした名言』より
 って、気がついたら今度はこの名言集をほとんど全部読み返してしまったじゃないかーーーーー! ダメだ、もう。
英文対訳 世界を動かした名言 (講談社プラスアルファ文庫)

英文対訳 世界を動かした名言 (講談社プラスアルファ文庫)