THE X-CHAPTERS / Xチャプター

米国から本の話題をお届け

隣の街の図書館が、頑張っている

The only thing that you absolutely have to know, is the location of the library. –Albert Einstein
たったひとつ絶対に知るべきこと、それは図書館の場所である。
ーアルバート・アインシュタイン

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Image by ElasticComputeFarm from Pixabay

 ものすごく気分が落ち込んでしまった時、私は図書館に行きます。
整然と並ぶ本、本、本・・・まだこんなにも知らないこと、知らない物語がある。まだ、死ねない! と、生きる力が自然と湧いてきます。苦しい時に図書館に助けられてきた人生です。図書館に歩いて行ける距離に住んで、毎日通うのが理想の老後です。
 こんな私なので、ここアメリカでも自分の街の図書館のみならず、近隣の図書館もつぶさにチェックします。市民じゃなくても利用はできるので、合計4枚の図書カードをじゃらじゃらとキーホルダーにくっつけ、その日の行動範囲に合わせてそれぞれの図書館を使い分けている日々です。
 この4か所の図書館の中で、ひとつ変わった図書館があります。
 車で15分くらいの隣町の図書館なのですが、これまた街の規模にしては巨大な図書館で、どうやら地元の名士や地元企業からの多額の寄付で本日の立派な姿になった様子。
 図書館の中もお金がかかっているんだけど、図書館の裏にはネイチャートレイルが森と児童公園へと続き、バタフライガーデンがあり、噴水付きの東屋が木陰に設けられ・・・そこまではただただ素晴らしいのですが、利用者サービスがなんというか少し変わっているのです。
 まず、屋根付きドライブスル―返却口。

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ドライブスルーはこちら
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運転席の窓を開けて返却口に放り込むだけ
 24時間雨でも雪でも車から降りずに返却できる!と宣伝しています。車社会アメリカ、ここまでするか。本の返却口くらい歩いて行けよ・・・などとあきれていましたが、小さなお子さんとか赤ちゃんを連れているお父さんお母さんは本当に助かりますよね。駐車場に車を停めて本の返却口に本を入れて帰ってくる、その数分間すら、車に子供を残していたら通報されますから。

 そして、なぜか大量のケーキ型が「Fiction」の本棚に!! ケーキはフィクションだったのか? 本と同じように貸し出されています。ここは図書館・・・だよね?

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すごい数のケーキ型
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スーパーマンのケーキ あまり食べたくない

 数年前は、Pokemon Goのリリースとほぼ同時に館内入り口にポケ・ストップを設置。どこから持ってきたのかポケモンたちの人形やら、関連本だのをガラスのケースに派手派手にディスプレイ。突如のすごいポケモン愛に困惑し、現代の図書館はここまでするのかと驚きましたが、最近はついにドローンまで貸し出し開始!! 

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トランク入りのドローン、もちろん借りた
 なぜドローン? 方向性がまったくわかりません。図書館よ、どこへ行く。
 
 今日は、「素晴らしい一年間をありがとう!来年もあなたにサービスするのが待ちきれません!! 楽しいデータを見てね」というメールと共に、一年間の図書館利用に関するデータが送られてきました。市の雑誌の「ベスト図書館」に選ばれたことを最後にアピールしてますが、かろうじて両手で数えられるくらいしか無い中から選ばれても嬉しいのか。
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美しくまとめられた年間利用データ

 でも、なんとか図書館に脚を運んでもらおうという図書館側の心意気は、ひしひしと感じます。そして親近感も感じますね。
 街の本屋さんが次々と姿を消している今、図書館はこれまで以上に重要な場所になっていくことは間違いありません。図書館以外に、子供からお年寄りまでみんなが気軽に行ける場所ってあるでしょうか? 図書館って、本を手に取って楽しめる希少な場所という以上に、その街の魂そのものだと思います。
 いつもありがとう! お金持ちになったら、たくさん寄付するからねー!!