THE X-CHAPTERS / Xチャプター

米国から本の話題をお届け

読むのをやめてしまった本たち

 私のTwitterのタイムラインは、「今日もこんなに洋書を読みました!」「今月で〇万語読めました」等々、日本に住んでいながら「こんなに英語ができます」「こんなに英語きちんと勉強しています」という方々のまぶしいツイートで溢れています。Twitter社まで、私を追い詰めようとしているのか? どうせ、私は今日もろくに誰とも英語なんて話さなかったよ・・・。こうやって日本語ばっかり書いてるし読んでるし。

 私はこのブログに洋書の読書感想などを書いていますが、はっきり言って読んだ本と同じくらい、いやもしかしてそれ以上に完読できなかった本があります。在米生活の長さに対しびっくりするくらい英語ができません。そこだけは、自信を持って自慢できます! ということで、今日は日本にいながらにして英語が堪能な素晴らしい方々に対抗(?)し、「こんなに読めなかったぜ!」という自慢をします。ここ1,2か月の間に諸事情で完読できなかった本たちを列挙し反省してみようと思います。
 「お前が挫折した本などどうでもよい」、その通りでございます。つまらない人間でございます。ごみブログでございます。恥の多い生涯を送ってきました。(←「小説の素晴らしい書き出しの一文」のオールタイムベスト10に入りますよね?) 

読めなくてごめんその1
『This Storm』(by James Ellroy)

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『This Storm』ジェームス・エルロイの紙版表紙
 映画化もされた「LA四部作」(『ブラック・ダリア』『ビッグ・ノーウェア』『L.A.コンフィデンシャル』『ホワイト・ジャズ』)などで知られるジェームス・エルロイによる2019年1月刊行の最新作。
 図書館の新刊コーナーで「この表紙はヤバいんじゃないの!?」と思わず手にとり、アシダ・ヒデオという日本人が主人公になっているというのを裏表紙で知りすぐに借りました。エルロイが日本人を主人公にするなんて! しかし、読み始めてなんか変だなと思って調べてみたら、なんとこれは三部作の二番目だったという・・・。かなりガックリ来た。たとえ数ページでも読むの大変だったのに。エルロイ、読者の忍耐力を試しているのか? 難し過ぎるよ。現代人はそんなに読書に忍耐力使わないんだぞ。こんなだからみんなYoutubeに行っちゃうんだよ。
THIS STORM

THIS STORM

  • 作者:ELLROY, JAMES
  • 発売日: 2019/06/04
  • メディア: ハードカバー

読めなくてごめんその2
『Perfidia(邦題:配信の都)』(by James Ellroy)

 前述の本をすぐさま返して、懲りずにサーガの第一作を借りて読み始めました。過去に彼のLA四部作を読んだ時はもちろん日本語で、それでも完読が大変だった思い出があります。でも、読んでよかったと思えるものがあった(特に『ビッグ・ノーウェア』が忘れられません)ので、今回も覚悟を決めて手にとりましたが・・・無理。登場人物表まで作って読んでたけど、やり通せる気がしない。どうしてこれが読めると思ったのか。idを「スカリー捜査官」から「勘違い思い上がり女」にしようかな。
 題材にも興味があるし、読めば読んでよかったと感じる何かはあるだろうというのは冒頭の5%でもわかる。しかし、多分この一冊で一か月以上はかかるだろう。そして、三部作の第二部、第三部も読むとなると、多分このサーガだけで半年くらいかかりそうな気がした。英語のレビュー読んだら、英語が母国語の人でも「読み通せなかった」という人がちらほら。ちょっとほっとしました。ちなみに差別語連発じゃないか!と怒っている人もいましたが、これは「JAP」のことでしょうかね。私はそこはそれほど気にならなかった。時代も違うし、侮蔑の意味を込めて言っているというより、Japaneseを短くしてJapみたいな感じで使われているように感じました。
 それにしても最近「時間かかりそうだからやめよう」みたいな、長編小説の存在意義を否定するような考え方ばかりしている自分が残念。そんなこと言ってたらTwitterとかの短文ばっかり読んでる人になりそう。

Perfidia

Perfidia

  • 作者:Ellroy, James
  • 発売日: 2015/07/07
  • メディア: ペーパーバック
 なんと、こんな本でも日本語に翻訳されている! さすが腐っても(?)エルロイ。時間を作ってこっちを読むよ。日本語万歳! 英語なんてバカヤロー!
背信の都 上

背信の都 上


読めなくてごめんその3
『All the Light We Cannot See(邦題:すべての見えない光)』(by Anthony Doerr)

 2015年、ピューリッツァー賞大賞受賞。アメリカのアマゾンでは、3万件近くレビューがあり、しかも7割以上が星5つ、星4と星5を合わせると9割行きます。すごい絶賛っぷりですよね。そんなにすごいなら読んでやろうじゃないかー!と思って手にとりました。レビューに踊らされ過ぎ?
 その結果、これまた『The Handmaid Tales(侍女の物語)』の時と同じく、幾晩も私の入眠を助けてくれました。ありがとう、すぐ眠れて本当に助かったよ。皆さん、英語のカタい文学作品読むと睡眠薬とは手を切れてナチュラルな方法で眠れますよ。おすすめです。
 2,3時間の自由時間を頭がすっきりしている時間帯に持ち、じっくり腰を据えて冒頭の30%くらいを集中して一気読みしないとダメな作品です。そして、今の私にはそんな時間がとれる日は一日もありません。悪戦苦闘しているうちに、図書館の返却期限が。泣く泣く返しました。
 無理せず、日本語版読もうかな。日本語最高。

All the Light We Cannot See

All the Light We Cannot See

  • 作者:Doerr, Anthony
  • 発売日: 2015/04/23
  • メディア: ペーパーバック


読めなくてごめんその4
『Full Throttle』(by Joe Hill)

 スティーブン・キングさん家の長男、ジョー・ヒルさんの短編集。2019年刊行の新しい本です。ジョー・ヒル初体験。これは面白い本だった。なのに、読んでも読んでも終わらない。前書きの「Who is your daddy?」というエッセイがおもしろくて、よく理解したくて3回も読んだのが悪かったのか。
 狼男が人間の肝臓を踊り食いしてるホラーとか、読んでも1ミリもためにならない内容なのに、表現や文章が知的で高尚な感じがする。筒井康隆とかもそうですよね。知能指数高い人が書いた娯楽という感じ。なので、それなりの読解力が必要できちんと読むのに時間がかかる。あと2篇読めば完読というところで、返却期限が来てしまった。そして、もう一度借りようとしたら6か月待ち・・・。ジョー・ヒル、人気あるなあ。
 新年の抱負で「短編小説を書きます」ってブログに書いた私ですが、この中のある一篇を読んだ直後はかなりやる気が無くなりました。すごいなーって打ちのめされて。
 この短編集は、いずれなんとしても完読したいと思います。もうすっかりジョー・ヒルのファン。

Full Throttle: Stories

Full Throttle: Stories

  • 作者:Hill, Joe
  • 発売日: 2019/10/01
  • メディア: ハードカバー


読めなくてごめんその5
『Girl, Stop Apologizing』(by Rachel Hollis)

 女性向け自己啓発本。謝ってばかりの人生を送っている私は、タイトルの「もう謝るのはやめましょうよ!」というメッセージに惹かれました。サブタイトルは、「A Shame-Free Plan For Embracing And Achieving Your Goals」。「目標を抱き達成するための失敗無しの計画」?? 英語のノンフィクション本は、どうしてこうも長いタイトルをつけるのか。

Girl, Stop Apologizing: A Shame-Free Plan For Embracing And Achieving Your Goals

Girl, Stop Apologizing: A Shame-Free Plan For Embracing And Achieving Your Goals

  • 作者:Hollis, Rachel
  • 発売日: 2019/03/21
  • メディア: ペーパーバック
 このレイチェル・ハリスさんなる女性、2018年と2019年のベストセラーリストで何回も何回もお顔を見かける方なんですよ。なんかすごい人気です。いわゆるライフスタイルブログというやつで人気が出たヒトみたいなんですけど。「アメリカ版若くなった栗原はるみ」みたいな感じ? 違うか。日本で言うと誰だろう? 辻ちゃん? 子供がいるけどこんなに成功してるよ、というのもこの人のウリの一つなので。でもママタレとも少し違うような…日本人でぴったり来る人が思い浮かびません。
 この人そんなにいいの?どこがそんなに人気?と思って読んでみました。結果、全然心に響きませんでした。オーディオブックは著者ご自身が朗読していて、すっかりモチベーショナル・スピーカーと化していらっしゃいます。信者に向けて、「女性たちよ、立ち上がって!夢をかなえましょう!あなたならできる。私にはわかるわ、できるのよ、あなたは! 世界中のすべての女性が、ポテンシャルを最大限に生かしてやりたいことをやったらすごいと思わない?」とか言っている教祖様って感じです。私は、皆が熱狂して立ち上がって拍手している会場で一人だけ無表情で座ってる女といったところか。煽られれば煽られるほど、やる気が失せていくのを感じました。
 以前、西原理恵子さんの同様の本を読んだ時もかなりひねくれたことを書きましたが、こういう本を読むと自分に素直な心がかけらも無いのだということだけがわかり、心に寒い風が吹き抜けます。10代とかで読むといいのかも? 
 最後まで読むかやめてしまうか迷いましたが、これを読んだところできっと自分は変わらないだろうと思い読むのをやめました。自己啓発本の類が本当に心に響きません。それを読んでやる気が出ても、三日くらいで元に戻る。読むだけ時間の無駄な気がする。

 以上、最近途中で読むのをやめた5冊でした。挫折だらけの読書の氷山の一角です。
 読み始めた本を途中でやめるのって、私にはすごくすごく不本意で不名誉なことなんです。だって、最初だけ読んで残りを判断しちゃうって書いた人に失礼じゃないですか? だんだんおもしろくなっていく構成になっているかもしれないんだし。途中で投げ出すと、「こんなだから私は何事も続かずに、こんな中身の無い人生を送っているんだ・・・」とか謎の敗北感に襲われるし。いちいちネガティブだなと我ながらあきれますが。
 でも、時間管理のテクニックで「本など最初の10ページでおもしろくなければすぐに読むのをやめろ、人生の時間は限られているんだ」と言い切っていた人もいたし、もうどうしていいのかよくわかりません。
hyakunennokodoku.hatenablog.com
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