THE X-CHAPTERS / Xチャプター

米国から本の話題をお届け

「コロナウィルスで隔離されたら、どんな本読む?」米・巨大掲示板Redditより

 コロナウィルスに関して、今のアメリカは日本とほぼ同じ推移を数週間遅れでたどっている感じです。感染者・発症者ゼロだった田舎の州でも、ちらほらと感染報告が聞かれるようになってきました。生活必需品の買い占めなどもニュースになってきたり、都市部では休校になる学校がちらほら出てきたり。日本からするとまだまだのんびりしたもんです。私の住んでいる地域では、まだ日常生活への影響は全く感じられず、これから何かが起こるのだろうかとぼんやり考えているような段階です。
 
 しかし、アメリカの本好きの皆さんの雑談でもコロナウィルスは避けては通れない話題になってきたようで、巨大掲示板のRedditではこんな話題にたくさんコメントがついていましたよ。


「コロナウィルスで隔離されている間、何読む?」
(What will you read while quarantined by Coronavirus?)

www.reddit.com

 隔離=quarantine。普段使わない単語なので勉強になります。
 それでは、このスレッドに着いた80コメントとその子・孫コメントから抜粋してご紹介! 

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・屋根裏の箱に見つけたアガサ・クリスティ33冊を読む

・ユリシーズをほんとに読み終わるかも・・・?

・『Station 11(邦題:ステーション・イレブン)』(by Emily St. John Mandel)。だいぶ前にいとこに薦めたら、彼女、数週間前の出張で、飛行機がメンテかなんかで駐機場に何時間も待機している時に読み始めちゃったんだよね。その間、何回も感情的になっているテキストが来たよ。

・『A Gentleman in Moscow(邦題:モスクワの伯爵)』。ひとつの場所に閉じ込められた時、励みになるよ。

・『デカメロン』がそのへんにあったと思うんだけど・・・?

・『The Hot Zone(邦題:ホットゾーン)』( by Richard Preston)
 (コメント)『ホットゾーン』は読みやすくて怖いけど、煽ってる感じで不正確な本だ。『Spillover』のほうがいいよ、もしただ怖い感じを味わいたいんじゃなければね。

・『Station Eleven(邦題:ステーション・イレブン)』(by Emily St. John Mandel)は、パンデミックで人口が減ったあとの社会の再構築に関する本だよ。
(回答)パンデミックに重点を置きすぎないで、かわりに登場人物たちの何十年もあとのつながりが書かれているのがいいよね。すごく美しくて心に残る。

・『The Stand(邦題:ザ・スタンド)』をもう一回

・時間がたっぷりあるということでやっぱり『戦争と平和』! もしくは『Gulag』(by Anne Applebaum)。隔離が比較的ひどく書かれていないから。

・『A Journal of the Plague Year(邦題:ペストの記憶)』(by Daniel Defoe)

・『La Peste(邦題:ペスト)』

・私の会社は、隔離になったら自宅から100%会社にいる時と同じ生産性を保って仕事するように通達されている。

・『The Road(邦題:ザ・ロード)』(by Cormac McCarthy)、『The White Plague』(by Frank Herbert)
 (コメント)『ザ・ロード』、それだけはやめろ!だめだよ!

・長いシリーズものを読む。 the rangers apprentice 、 the disk world シリーズとか。

・『The Andromeda Strain(邦題:アンドロメダ病原体)』(by Michael Crichton)

・『Station Eleven(ステーション・イレブン)』に一票、でも これらも→『The Book of M』(by Peng Shepherd), 『The Great Alone』(by Kristin Hannah), 『The Poppy War』(by R. F. Kuang) (シリーズ一冊目と知ったばかり)。

・『Swan Song(邦題:スワン・ソング)』。まだ誰も挙げてないけど、文明が滅んだ後を書いた良い本としてよく名前が挙がるし、1000ページの大作で今650ページくらいなんだけど今のところいいよ。集中して読み終わってしまえたらなあと思う。頭が物語に行っちゃってほかのことに集中できないから。パンデミックじゃなくて核戦争後の世界の話だけど。

・『World War Z』

・『ザ・スタンド』と『ホットゾーン』がスタンバイしてる。

・でっかい箱いっぱいの本とキンドルがある。

・隔離されないといいけど。隔離されたら怖くて不安で読書どころじゃない。

・Kindle Unlimited

・このテーマに沿うなら、『The Dog Stars(邦題:いつかぼくが帰る場所)』(by Peter Heller)、優れた終末世界モノだ。もしくは、コーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』、私はこれを「もっとひどいことになるかも」カテゴリーに入れている。

・空港で『World War Z』読み終わっちゃったところ。多分コロナにかかったと思うから、もう読む本無くなったよ。
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 という感じです。
 ここで紹介しきれなかったコメントも全部読みましたが、まとめると、このジャンル定番ものとしては『ホット・ゾーン』『ザ・スタンド』『World Way Z』、古典ならカミュの『ペスト』、読書家の間でおすすめ度が高いのは『ステーション・イレブン』、もっとシリアスなもう世界の終わり気分に浸りたかったらコーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』、と言ったところでしょうか。 
 パンデミックに関する本じゃなくても、とにかく文明崩壊後の世界を扱った本が多く挙がっていましたね。
 あとは、とにかく長いシリーズを一気読みする、溜め込んでいる本を普通に読む、そんな回答が多かったです。なんにしろ、実際に隔離状態にないからこそできる気楽なディスカッションですよね。ウィルスに感染し、今現在隔離状態にある方、心細く恐ろしく、苦しい思いをされていることと思います。回復を心より願っています。

 最後に、本記事で紹介したスレッドに登場した本の一部を以下に列挙します。ほとんどの本の日本語訳が出ているので、きっと優れた本たちなのでしょう。どれもむちゃくちゃ面白そうですよ。皆さん、ほんとよく知っているなあと感心します。
 私は、文芸寄りの洋書だとまだよく理解できずグーグー寝てしまうので、マイケル・クライトンくらいから読もうかな。いや、難しいのを選んで読んでさっさと眠りに落ちて、免疫力上げたほういいのか? 皆さんは、ご存知の一冊はありましたか? 皆さんのおすすめなども、コメント欄で教えていただけると嬉しいです。

『ステーション・イレブン』(エミリー・セントジョン・マンデル)

文明崩壊後の世界を描く傑作SFサスペンス。全米図書賞最終候補作。
新型インフルエンザ「グルジア風邪」の流行により、人類の99%が死滅し地球の文明が崩壊した。パンデミックの幕開けは、カナダ・トロントの劇場で上演されていた『リア王』の主演俳優アーサーの死で始まる。同じ舞台に立っていた8歳の子役キルステンは、彼の死を目の当たりにする。
 そしてその20年後。電気もなく廃墟も残るなか、生き残った人々はわずかな食料や資源を繋いで生活していた。そしてキルステンは旅の楽団に入り、ミシガン湖周辺を移動していた。20年前、死の前にアーサーがくれた『ドクター・イレブン』というSF漫画を大切に持ち続けながら。
(アマゾン商品紹介ページより)


『モスクワの伯爵』(エイモア・トールズ)

1922年、モスクワ。革命政府に無期限の軟禁刑を下されたロストフ伯爵。高級ホテルのスイートに住んでいたが、これからはその屋根裏で暮らさねばならない。ホテルを一歩出れば銃殺刑が待っている。そんな不遇を乗り切るために彼が選んだのは、紳士の流儀を貫くこと。人をもてなし、身のまわりを整え、人生を投げ出さない。やがて彼は宿泊客や従業員たちと友情を深めるが…。いまも世界中の名士から愛されるホテル、メトロポールを舞台に上流社会のドラマを描く、陶酔と哀愁に満ちた長篇小説。全米で140万部突破、“ワシントン・ポスト”など8紙誌の年間ベストブックに選出。(アマゾン商品紹介ページより)

モスクワの伯爵

モスクワの伯爵

A Gentleman in Moscow

A Gentleman in Moscow

  • 作者:Towles, Amor
  • 発売日: 2017/11/02
  • メディア: ペーパーバック


『ザ・スタンド』(スティーブン・キング)

猛然たる致死率と感染力を持つインフルエンザ・ウイルスが漏洩した。それと知らず、それぞれの人生を真摯に生きる人々。未婚で妊娠した学生、突然の成功に惑うロックシンガー、人の暖かさを知った放浪の青年…彼らの流す絶望と悲嘆の涙のなか、静かに世界は死滅してゆく。巨匠畢生の超大作、壮大な滅びの物語を序曲に開幕。(アマゾン商品紹介ページより)

ザ・スタンド(1) (文春文庫)

ザ・スタンド(1) (文春文庫)

The Stand (English Edition)

The Stand (English Edition)


『World War Z』(マックス・ブルックス)

ブラッド・ピット主演映画原作
中国奥地に発した謎の疫病を契機とした人類と生ける死者との全面戦争。全世界を舞台とした衝撃のパニック・スリラー大作の原作小説。(アマゾン商品紹介ページより)

WORLD WAR Z 上 (文春文庫)

WORLD WAR Z 上 (文春文庫)

World War Z: An Oral History of the Zombie War (English Edition)

World War Z: An Oral History of the Zombie War (English Edition)

  • 作者:Brooks, Max
  • 発売日: 2010/07/19
  • メディア: Kindle版


『ザ・ロード』(コーマック・マッカーシー)

空には暗雲がたれこめ、気温は下がりつづける。目前には、植物も死に絶え、降り積もる灰に覆われて廃墟と化した世界。そのなかを父と子は、南への道をたどる。掠奪や殺人をためらわない人間たちの手から逃れ、わずかに残った食物を探し、お互いのみを生きるよすがとして―。世界は本当に終わってしまったのか?現代文学の巨匠が、荒れ果てた大陸を漂流する父子の旅路を描きあげた渾身の長篇。ピュリッツァー賞受賞作。ヴィゴ・モーテンセン主演映画、2010年夏日本公開。(アマゾン商品紹介ページより)

The Road (Vintage International) (English Edition)

The Road (Vintage International) (English Edition)


『アンドロメダ病原体』(マイケル・クライトン)

事件はアリゾナ州の小さな町、人口48人のピードモントで起きた。町の住人が一夜で全滅したのだ。軍の人工衛星が町の郊外に墜落した直後のことだった。事態を重視した司令官は直ちにワイルドファイア警報の発令を要請する。宇宙からの病原体の侵入――人類絶滅の危機に、招集された四人の科学者たちの苦闘が始まる。戦慄の五日間を描き、著者を一躍ベストセラー作家の座に押し上げた記念碑的名作(アマゾン商品紹介ページより)

アンドロメダ病原体〔新装版〕

アンドロメダ病原体〔新装版〕

The Andromeda Strain

The Andromeda Strain


『いつかぼくが帰る場所』(ピーター・ヘラー)

謎の疫病により、妻や友人知人のすべてを失った男ヒッグ。一変した世界で暮らす彼の仲間は、愛犬ジャスパーと、ガンマニアの隣人バングリーだけだ。しかしヒッグは、数年前に無線から聞こえてきた声が忘れられない。もしかしてどこかに元の世界が残っているのではないか?ある日ついに思い切った彼は、セスナ機で外へ向かい飛び立つが…。人類がほぼ壊滅した後の世界の、絶望と祈りを描く傑作長篇。(アマゾン商品紹介ページより)

いつかぼくが帰る場所

いつかぼくが帰る場所

The Dog Stars

The Dog Stars

  • 作者:Heller, Peter
  • 発売日: 2012/08/07
  • メディア: ハードカバー


『スワン・ソング』(ロバート・R. マキャモン)

ブラム・ストーカー賞最優秀長篇小説賞、日本冒険小説協会大賞受賞。第三次世界大戦勃発。核ミサイルによる炎の柱と放射能の嵐が全土を覆い尽くした。生き延びた人々を待っていたのは、放射能障害、「核の冬」の極寒、そして過去の遺物の争奪…死よりなお凄惨な狂気の世界であった。核戦争後のアメリカ大陸を舞台に繰り広げられる世界再生の鍵を握る少女スワンを巡る聖と邪の闘い。世紀末の黙示録神話を描く「超」大作巨篇。(アマゾン商品紹介ページより)

Swan Song

Swan Song


『Spillover: Animal Infections and the Next Human Pandemic 』(by David Quammen)
『ホットゾーン』よりこっちが正確、とコメントされていた本。日本語版はまだ無い様子。以下、米アマゾンの商品紹介を訳しました。

 次なる大パンデミック、エイズや1918年のインフルエンザ級かもしれない病気による社会の激変は、野生生物から人類へとやってくる新しいウィルスによって引き起こされそうだ。専門家はそういった事象を「Spillover」と呼び、我々に準備するよう警告している。デビッド・クアマンは、この問題を南アフリカのジャングルからバングラデシュの屋上、中国南方の洞窟、研究者たちが宇宙服を着て致死性のウィルスを研究する研究所まで追ってきた。クアマンは、エボラ、SARS、鳥インフルエンザ、ライム病や他の新たに発生しつつある脅威の動態を、これまでとは異なる方法で提示している。次なる大きな脅威がやって来る時、それはどのように見えるのか? どの無垢な宿主生物から現れるのか? 私たちは用意が出来ているのだろうか?

同じ作者の『エボラ 死のウイルスの謎を追う』(デヴィッド・クァマン)のほうは日本語版がありました。


『ホット・ゾーン』(リチャード・プレストン)

脳、内臓を溶かし、目、鼻、口など、体中の穴という穴から血の滴が滲み出る奇病発生。アメリカの首都ワシントン近郊の町、レストンのモンキー・ハウスに突如出現した、恐怖の殺人ウイルス「エボラ」。その致死率は90%。核攻撃さながらの最高度機密保持態勢のもとに展開された、「エボラ」制圧作戦の全貌を描き出した迫真のノンフィクション。感染の恐怖に耐えながら、ウィルス制圧に命を賭ける兵士や学者の素顔に迫る!!(アマゾン商品紹介ページより)

The Hot Zone: The Terrifying True Story of the Origins of the Ebola Virus

The Hot Zone: The Terrifying True Story of the Origins of the Ebola Virus

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