THE X-CHAPTERS / Xチャプター

米国から本の話題をお届け

おうち時間!? そんなかわいい名前で呼べない・・・

 「おうち時間に皆さんは何をしているか教えて下さい」
 「おうち時間 何してる?」
 
 おうち時間? そんな生ぬるい時間など無い!!! 

 何してるか? 面倒見なくちゃいけない人の面倒みてるだけ!!

 ブログに記事にするような「何か」をする時間などゼロです。「自分のことを自分でできない人」を家族に抱えている人は、このコロナ危機で普段ただでさえ無い時間がますます無くなっているだけではないかと思います。

 米国東側の某州からこれを書いていますが、自宅待機生活が始まってから一か月ちょっとが経ちました。

 始まった当初は少し長い春休みという感じで軽く考えてたんですけど、先日知事命令で州の学校はすべてこのまま夏休みに突入という発表があり、この先最低四か月、もしかしたらもっと先まで学校が無いことが決定しました。 
 学校に外注していた「教育」という仕事が全部私に来るわけですから、そりゃもう毎日大混乱です。夏休みとはまた違いますね。子供複数人分、先生役やんなくちゃいけないし、3食健康にいいものを家族全員分作って、週末以外はなるべく規則正しくなるようにタイムキーパーのように日課守らせて、毎日運動させて・・・・・・。このご時世ですから、お母さん友達と助け合うことすらできません。
 頭をフル回転させて、複数のスケジュールを同時進行させなくてはならず、以前の生活とは違う脳みそを毎日使う必要が出てきました。しかも、ほぼ常に背後に
「ギャー@#*$&%_&$^&*&*_*&$~~!!」
という発達障害児童の意味をなさない叫び声を聞きながら・・・。

 もう・・・・・・疲れ果てました・・・。
 「おうち時間」っていうか、禅寺の修行かなんかなんでしょうかこれは。アンガーマネジメントのトレーニング? 自分の忍耐力を試されている気がします・・・。日を追うごとに無気力・無感情になっていく自分を感じます・・・。

 私ですらこんなに大変なのに、共働きのご家庭は一体どうやっているんでしょうか!? 私の配偶者は、金にならない仕事(家事、子供たちの面倒、その他雑用)をすべて私に丸投げして、仕事する部屋に鍵かけてこもって自宅勤務できるわけですが、両方働いていたら助け合ってその「金にならない仕事」を分担するしかないですよね。

 私なら発狂します。

 そんなのやりながら仕事なんて無理無理。共働き家庭は偉大です。あと、知人に普段からホームスクーリングやってる人が結構いるんですけど、あの人たちもすごい。今回の自宅待機もそれほど痛くもかゆくもないんじゃないでしょうか。普段から学校行かせないで、自分で勉強やらせているわけだから。すごく勉強できる素直な子二人くらいだったら頑張ればできそうな気もしますが、それ以上は私には無理です。本当にすごいと思います。

 能力も度量も劣る私には、「おうち時間」はしんどいです。何があっても笑顔、笑顔で頑張ろうと自分に言い聞かせてきましたが、疲れました。人の心配ばかりしていて、自分のことを心配をするのを忘れて、気がついたらなんかものすごく疲れがたまっていました。終わりが見えないのも辛いです。

 弱音はいてすみません。こんまりさんのように、早起きして木からレモンもいで庭でストレッチして瞑想したいです・・・。今朝は、早朝から子供の睡眠障害で起こされ、しかも鼻血で殺人事件状態になっているベッドを発見するという素晴らしい一日の始まりでしたけど・・・。 有名人の方々も、世の中に自宅待機を浸透させるために「私もステイホームしてます☆」みたいな素敵なおうち時間画像とかネットに上げて下さってるんでしょうけど、もう見るのもイヤです。自分の惨めさを想い知らされるだけ・・・。

 まず、携帯電話はどっかに鍵かけてしまったほうがよさそうですね、私は。ニュースとかSNSとか観ないほうがいいですよね。

 そんなこんなで、びっくりするほど本がまったく読めません。
時間が無いから、というより頭にまったく入って来ないんです。もしかして、頭がウィルスにやられた!? というか、普段からなんかのウィルスにやられてる疑惑の脳がコロナさんでダメ押し? このまま本が読めなくなっちゃったらどうしよう。結構真剣に自分の脳が心配。

 疲れて果てて本を読めないからこんなに疲弊しているのか、それとも本を読めないから疲弊に拍車がかかっているのか、その両方で悪循環スパイラルに陥っているのか、もはや何がなんだかわかりません。

 こんな私ですが、一応、このブログは本のブログなので、「おうち時間」で思いつく数冊を挙げてみようと思います。

1)『アンネの日記』
 「家にこもる」、と言ったらこれしかないですよね? 自宅待機が始まってから、アンネのことばかり考えています。アンネなんてこもるだけじゃなくて、見つかったら死が待っている「潜伏生活」だった。ネットも無かった。物資や食料も限られていて、もちろん終わりだって見えない。家族以外の大人とも望まない共同生活を送っていた。 
 私が成長過程で読んだ『アンネの日記』は、誰かにプレゼントされたもので、なんとシナリオ版(戯曲版?)だったのですが、本当に何度も何度も繰り返し読んでしまう魅力のある本でした。アンネは天才少女ですね。あんな生活でも(あんな生活だからこそ?)、創造性と感性が爆発しています。
 このコロナ危機を機に、是非また読まれて欲しい一冊。

2)『Blizzard』(by John Rocco)

Blizzard

Blizzard

  • 作者:Rocco, John
  • 発売日: 2014/11/25
  • メディア: ハードカバー
 1978年に東海岸を襲った有名な大吹雪の際の著者の思い出が物語になった絵本。アメリカの幼稚園や図書館の読み聞かせなどで、冬の定番絵本になった感があります。
 150㎝近く積もった雪で家に閉じ込められた家族のため、近所の人のために、「このままココアと牛乳だけでは生きていけない」と体重の一番軽い小学生の「僕」が手作りの雪駄をはいてそりをひいて買い出しに行く。美しい大型絵本で、私の大好きな一冊です。 彼らが家に閉じ込められたのはたったの1週間ですが、どんなに恐ろしかったでしょう。自然の驚異と少年の大冒険に読むたびわくわくします。絵も、ノーマン・ロックウェル風でザ・アメリカって感じでいいです。入手出来たらお子さんと是非読んでみてほしい一冊。

3)『The Woman In The Window(邦題:ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ)』(by A. J. Finn)

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ 上

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ 上

 以前、当ブログでぼろくそに叩いた一冊。しかし、「家から一歩も出ない」と言えばこの女主人公が一番に思い浮かびました。自宅待機生活を先取りしています。すべてオンラインで買い物して、社会貢献もオンラインでやる。趣味は窓から近隣住民ののぞき。こうなってはいけませんよ。
blog.the-x-chapters.info

4)『今夜、宇宙の片隅で』(三谷幸喜)
 三谷幸喜のテレビドラマのシナリオ本。昔プレゼントでもらって日本から持ってきた宝物のような本です。

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『今夜、宇宙の片隅で』
 なぜ自宅待機でこの本が思い浮かんだかということ、この本はシチュエーションがニューヨークのアパートの一室ほぼ限定なのです。登場人物も、映画会社の駐在員の耕介、永住権宝くじに一発当選したカメラマンの樋口、美容師の真琴という基本的にその三人だけで、そこでの会話や出来事、3人の恋の行方が舞台劇のように濃密に描かれているだけ。3人が家にこもっているというストーリーでは無いのですが、耕助の部屋でああでもないこうでもないとやっているだけなのが、なんとなく現在進行中の「隔離生活」を思い起こさせます。よくまあ、これだけの設定でここまでドラマを作れるものです。自宅待機生活が長引くにつれ、この本を久々に開きたくなりました。
 「男性のためのラブコメ」という感じで、笑えるけど切ないという「ペーソス」という言葉が思い浮かぶ名作だと思います。真面目だけどどこかずれていてちょっとにぶくてもてない耕助(ドラマでは西村雅彦さん)が悲しくおかしい。作者の三谷さんがサディストなのかというくらい、耕助をいたいたしいまでに酷い目に遭わせるのには目を覆いたくなるほど。誕生日のエピソードとかひどすぎませんか?
 また、アパートの一室ほぼ限定なのにニューヨークがなぜか感じられ、「日本人のアメリカ生活あるある」もよく表されています。
 もう中古でしか入手できない本のようですが、どこかで見かけたら「買い」ですよ!
今夜、宇宙の片隅で

今夜、宇宙の片隅で

 それでは皆さん、素敵な「おうち時間」をお過ごし下さい。私は、鼻血シーツと鼻血布団を洗ってまいります。ああ、楽しいな、楽しいな~。

お題「#おうち時間