THE X-CHAPTERS / Xチャプター

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文学=暗い? ジョジョ・モイーズさんと英紙ガーディアンの読者が「ハッピーな文学」を探す!!

 悲しくて気が滅入る題材ばかりで飽き飽きしています。でもラブコメ本じゃないものが読みたい。文学作品でハッピーな小説ってありますか?
(56歳、匿名、ニューヨーク)
I’m tired of sad and depressing themes, but want something that’s not a romcom in book form. Are there any happy novels that are also literary?
Anonymous, 56, New York City


 読者からの本に関する質問に作家たちが答える、英紙ガーディアンのコーナー『Book Clinic』。パンデミックで世界が動揺していた2020年2月末、上記のような質問が掲載されました。
 この質問への回答者に選ばれたのは、『Me Before You(邦題:ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日)』が大ヒットしたジョジョ・モイーズ。映画のほうでは脚本も手がけたんですね。(余談ですが邦題・・・『世界一キライなあなたに』・・・うーん・・・) 号泣したい方は観ましょう、読みましょう。
www.youtube.com

 さて、笑顔が素敵な作者のジョジョ・モイーズさん、一応明るい感じの作風だからこの質問の回答者に選ばれたのかな。彼女は、このようにおっしゃっておられます。

I’ve just judged two literary prizes and reading for both numbed my brain with bleakness.
(ちょうど二つの文学賞の審査をやったところ。両方とも読んで、あまりの暗さに脳が何も感じなくなった。)
Like the misconception that comedic acting is somehow easier than Ibsen, so has “happy” literature somehow become equated with lightweight.
(イプセンよりコメディ演技のほうが簡単っていう誤解があるのと一緒で、”ハッピー”な文学はどういうわけか軽薄、軽いってされてしまう。)

 ジョジョ・モイーズって文学賞の審査なんかやってるんだ!?というびっくりは置いておいて・・・。明るく楽しい小説は高評価が得られづらいというモイーズさんのもどかしさが伝わるコメントです。

 この後、モイーズさんのおすすめハッピー文学5選が続くのですが・・・。これまた微妙な、ある意味苦しいチョイスで・・・。一般読者の皆さんがコメント欄で「選んだのがこれってことは、ハッピーな文学はやっぱり無いってことなんじゃないの」と議論しつつ、自分たちが思いついたハッピー文学作品を紹介してくれています。

 大変興味深かったので、ジョジョ・モイーズさんの紹介作品と読者による全307コメントからの抜粋をご紹介します。

ハッピーな文学、ジョジョ・モイーズのセレクション

1) 『Paradise Lodge』 (by Nina Stibbe)
もしくはNina Stibbeの小説全部

Paradise Lodge

Paradise Lodge

  • 作者:Stibbe, Nina
  • 発売日: 2016/07/12
  • メディア: ハードカバー
 高齢者用施設でバイトすることになった15歳のリジ―がいろんなおかしな人に出会ったり、トラブルに遭いながら成長していく小説。
「Nina Stibbeの作品にはウッドハウスからミットフォード姉妹に至る英国コメディのすべてが見受けられる」とのこと。伝統的な英国喜劇のノリを、現代の高尚さが無い設定で楽しめるそうです。

2) 『Priestdaddy』(by Patricia Lockwood)

Priestdaddy: A Memoir (English Edition)

Priestdaddy: A Memoir (English Edition)

 かなりヤバいカトリックの神父が実父の詩人パトリシア・ロックウッドによる回顧録。回顧録だから小説じゃないんだけど小説として読める」と言い訳しつつのチョイス。むちゃくちゃ笑ったそうです。

3) 『Pride and Prejudice(邦題:プライドと偏見) 』(by Jane Austen)

高慢と偏見 (中公文庫)

高慢と偏見 (中公文庫)

 有名どころが来ました。「手際がよくてウィットがあって美しく構成された小説」「読み始めたらやめられないし、元気が出るけどラブコメじゃない」と絶賛。すべてのラブコメの原型と言われている古典ですよね。でもこれってただの玉の輿物語じゃないの? 男がお金持ちの時点で説得力無いっていうか・・・。

4)『The Young Visiters or, Mr. Salteena's Plan』(by Daisy Ashford)

The Young Visiters: or, Mr. Salteena's Plan

The Young Visiters: or, Mr. Salteena's Plan

  • 作者:Ashford, Daisy
  • 発売日: 2015/12/07
  • メディア: ペーパーバック
 9歳の少女による1919年の作品。綴りの間違いなども含め、大人が面白がってそのまま出版し、「無意識の喜劇」と言われ、コメディの傑作になっているそうです。詳しくはこちら↓
デイジー・アシュフォード - Wikipedia

5) 『Love in the Time of Cholera(邦題:コレラの時代の愛)』 (by Gabriel García Márquez)

コレラの時代の愛

コレラの時代の愛

Love in the Time of Cholera (Vintage International)

Love in the Time of Cholera (Vintage International)

 出た! この小説、ほんとに薦める人多いですね。マーガレット・アトウッドもおすすめ本に選んでたし、『American Dirt(邦題:夕日の道を北へ行け)』の主人公も一冊持って行くならこれ、だったし。
 ガルシア・マルケスによる大人の恋愛を描いた美しい小説。ジョジョ・モイーズさんはじめ読んだ皆さん「エンディングがいい、素晴らしい」っておっしゃるんですけど、私はエンディングどころか英語版の最初10%くらいでグーグー寝て挫折しました。いやー、ほんとよく寝ました。そのうち頑張って再読します。すみません、こんなレベルで!!

  以上、ジョジョ・モイーズさんのおすすめハッピー文学でしたが、読者の皆さんの反応、読者の皆さんのおすすめハッピー文学以下のような感じ。意外な日本の文学作品も登場します。さて、なんでしょうか!? あれってコメディじゃないと思うんですけど!!

  • 『ドン・キホーテ』。悲しくておかしい。悲劇とドタバタコメディ劇。真面目さと軽薄さ。冒険と現実主義。

→(返信)スペイン語わかんないとそのおかしさはほんとには理解できないでしょ

  • ディケンズの多くの作品がハッピーで元気が出る(ストーリーにアップダウンはあるけどだいたいは)。 『デイヴィッド・コパフィールド』から始めて『リトルドリット』に行くのが多分いい。ジョン・アーヴィングも読んでみて。

→(返信)『オウエンのために祈りを』は気に入ってる本の一つ。大笑いした、特にNativityのシーンで
→(返信)『デイヴィッド・コパフィールド』読んだばっかり。面白かったよ。ヴィクトリア期のメロドラマって感じ
→(返信)ガープもいいよ
→(返信)ガープは自分も気に入ってる、でもすごく悲しい小説だ

ガープの世界〈上〉 (新潮文庫)

ガープの世界〈上〉 (新潮文庫)


  • ボリス・ジョンソンが国会中に書いている小説を待っている。


  • 「ハッピーな文学はあるか?」、答えは「ノー」みたいだね。『プライドと偏見』までさかのぼらなくちゃいけないっていうことが、私たちがいかに不幸な時代を生きてるかってことを示している。今までのどの時代に比べても、気ままに生きられてるってのにほんと変だよね

→(返信)前のミレニアムからだけど、『源氏物語』を薦める。今読んでも楽しい娯楽作品だ。
→(返信)源氏はちょっと女性に対してb******(※筆者注 多分Bastard=クソッたれ、みたいな感じ)じゃない?
→(返信)ナイス・ガイばっかりの本とか要らないから
→(返信)フェアであるために言っとけど、ヘイアンの頃は女性に対してひどかったんだよ。
→(返信)そうみたいだね。光源氏はちらっと見て気に入った女にアプローチして、近くでよく見たらやっぱそうでもなかったやめとくわ、って丁重に撤退したりしている。それとか、友達の娘誘拐して自分の娘として育てて、ある日突然自分の妻になれって言ったりしてるし。

  • 『コレラの時代の愛』の小児性愛に賛辞を送るのが常に問題無しっぽいのが、もやもやする。『ロリータ』とは違って、そう、児童虐待がいかなる議論も分析も無しに提示されている。まるで、愛すべき老人の大したことない過ちでしか無い、みたいな。おまけに、一旦本命の女が戻ると、彼の思春期にも達していない犠牲者の自殺は一文か二文でうまくごまかされ、その下劣な章の幕引きのための都合のいい手段にされているだけ。どうせガブリエル・ガルシア=マルケスのファンじゃないんだけど、『コレラの時代の愛』は今までで一番不快な小説のひとつ。「幸せな(blissful)」小説? そんなわけないでしょ。

→(返信)『コレラの時代の愛』は、素晴らしく楽しい小説でマルケスの傑作だと思う。でも、あなたの言っている場面のことはほんと気になるし、そういうところがあるっていう事実があまり知られることなしにあの小説はまかり通っているようだね。『わが悲しき娼婦たちの思い出』は読まない方がいいよ、そっちは誰かがマルケスに『コレラの時代の愛』のいいところ全部忘れて気持ち悪い老人のとこだけにしぼって書けって言ったような小説だから。


  • ゴードン・ファレルの『The Siege of Krishnapur』、ハッピーではないけど、インドにおける大英帝国の不条理の笑える話だ。いつもコメディが自分をハッピーにしてくれてるのがわかる。すごくダークなやつでも。

→(返信)素晴らしい小説! 偉大なコメディだし! でもすっごくダークだよ
→(返信)私のお気に入り本のリストに必ず入ってる。素晴らしい本。
→(返信)『Troubles』も入れて、面白いところいっぱいあるから

The Siege Of Krishnapur: Winner of the Booker Prize 1973

The Siege Of Krishnapur: Winner of the Booker Prize 1973

Troubles

Troubles


  • (最初の質問者は)外に出かけてパーティー・ガールになったほういいよ!


  • 初期の V.S. ナイポールを薦める。『ミゲル・ストリート』と『神秘な指圧師』には両方笑った。Sam Selvonの『The Lonely Londoners』もすごく面白い。

ミゲル・ストリート (岩波文庫)

ミゲル・ストリート (岩波文庫)

The Lonely Londoners (Penguin Modern Classics) (English Edition)

The Lonely Londoners (Penguin Modern Classics) (English Edition)

  • 作者:Selvon, Sam
  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: Kindle版

  • 『Diary of A Nobody』は何年にも渡って人々をハッピーにしている。

→(返信)『Diary of a Wimpy Kid(グレッグのダメ日記)』もね
→(返信)『Diary of A Nobody』、あと私は姉妹編だと思っている『Three Men In A Boat(ボートの三人男)』も。素敵でやさしくて楽しい。

Diary of a Nobody (English Edition)

Diary of a Nobody (English Edition)

グレッグのダメ日記

グレッグのダメ日記

ボートの三人男 (中公文庫)

ボートの三人男 (中公文庫)


  • デイヴィッド・ロッジの小説を薦めるかな。特にキャンパス・ノヴェルの連作『Changing Places(交換教授)』、『Small World(小さな世界 アカデミック・ロマンス)』『Nice Work(素敵な仕事)』。すごく楽しいし、ロッジも文学そのものをおもちゃにして楽しんでいる(彼は著名な文芸評論家なわけだし)

→(返信)いいね、『Small World』はお腹痛くなるくらいおかしいよ
→(返信)『Small World』が一番おかしくて、『Nice Work』が一番出来が良くて、『Changing Places』はそれらとは並ばない。

素敵な仕事

素敵な仕事


  • 『The Enchanted April(魅せられて四月)』は? すごく魅せられるよ

The Enchanted April

The Enchanted April


  • 思うに文学作品を読むってことの本質は、本を読み終えて安堵のため息と共にこう考えることでは。「少なくとも自分の人生はここまでひどくはない」。そうしたら幸福が見えてくる。

→(返信)それもひとつの考え方だね
→(返信)それ確かに『イーストエンダーズ』が長きに渡って成功していることの説明になっている。

  • キングズレー・エイミスの『Lucky Jim』で間違いなし。でも(冒頭の質問者の)「文学作品で」って言い方が我慢ならない、俗っぽさがにじみ出ていて。読むことができて楽しめれば、その本は私の中では「文学作品」。デイヴィッド・ニコルズの小説を読むのが大好き。『The Understudy』と『Starter for Ten』、どちらも大笑いしたよ。

Lucky Jim (Penguin Modern Classics) (English Edition)

Lucky Jim (Penguin Modern Classics) (English Edition)

The Understudy (English Edition)

The Understudy (English Edition)

Starter For Ten (English Edition)

Starter For Ten (English Edition)


  • ジェローム・K. ジェロームの『Three Men in a Boat(ボートの三人男)』は読むのが楽しい。ジェラルド・ダレルの『My Family and Other Animals(虫とけものと家族たち)』 を丁度読み終わったところだけど、ギリシャのコルフ島での作者の最高の少年時代に関する爆笑回顧録で、楽しくて明るい気持ちになった。メルヴィルの『Moby Dick(白鯨)』は、笑える冒頭シーンだけでも読む価値あり。そして、初期のイーヴリン・ウォーの小説『Decline and Fall(ポール・ペニフェザーの冒険)』と『Vile Bodies(卑しい肉体)』

→(返信)この記事の最初の質問者は、本を「文学」と「非・文学」に分けていて、上記は全部「非・文学」の方だと思うから、質問への答えになっていない。 でも、いいの挙げてるね
→(返信)そうやってなんでも区分する人は偉そうな態度とるのやめたら? あと、『白鯨』が文学じゃないとか言っちゃう人はいないと思う(文学通の気取った人はジョークがわからないだろうけどね、損してるよね、ほんと面白いから)
→(返信)「高尚な芸術も低俗な芸術も無い。ただ芸術があるだけだ、そして precious little of that(※訳せない。それはすごく少ない?ってこと? 誰か教えて下さい)」—レイモンド・チャンドラー。正確な言葉は少し違うかもだけど、そんな感じ。
→(返信)この流れで行くと、ニック・ホーンビィの『Funny Girl』の中の大衆が喜ぶものを学者が軽蔑しているのを表している描写も、コミカルだし核心をついているね

ボートの三人男 (中公文庫)

ボートの三人男 (中公文庫)

虫とけものと家族たち (中公文庫)

虫とけものと家族たち (中公文庫)

Funny Girl by Nick Hornby(2015-05-07)

Funny Girl by Nick Hornby(2015-05-07)


  • ベン・アーロノヴィッチのRivers of Londonのシリーズ(ロンドン警視庁特殊犯罪課シリーズ)。現実とファンタジーがうまく混在していて、本当にいそうなステレオタイプじゃない興味深い登場人物が出てくるし、おかしいし、読み始めたらやめられない。

→(返信)文学じゃないでしょ。いい本だけど。

Rivers of London Vol. 1: Body Work (English Edition)

Rivers of London Vol. 1: Body Work (English Edition)


  • この記事は実はとても重要で興味深い問題を提示している。我々がいる社会は、価値ある芸術はなんとなく深みのあるものだと考えているということだ。そういう作品はたいてい暗く物悲しい主題に焦点をあてている。ピーター・クレイマーが『Against Depression』でこの問題に取り組んで素晴らしい仕事をしている。「heroic melancholy」という見解を書いているんだ。彼は、例えば我々がなぜピカソの「青の時代」が彼のベストだと考えるのかを問うている。それと同じで、偉大な喜劇(※Comics。「漫画」かも)は決して偉大な文学大作ほど批評家に賞賛されることは無いんだ。たとえ相当な腕前や技術が等しく使われていたとしてもね。

Against Depression (English Edition)

Against Depression (English Edition)


  • マット・ヘイグの『今日から地球人(The Humans)』。地球に送られた異星人が私たち人間がいかに驚くべき生き物かを発見する。この本は、要するになぜ人生は生きるに値するか、なぜ人類はもう一度やり直すチャンスに値するのかということを、深刻な鬱をよく理解している人が書いている。知り得る限りでもっとも元気が出る本の一冊。おかしくて賢くて時折悲しい。その悲しさから前向きなメッセージが得られる。それも軽薄で安直なものではないやつね。

今日から地球人

今日から地球人

The Humans (English Edition)

The Humans (English Edition)

  • 作者:Haig, Matt
  • 発売日: 2013/05/09
  • メディア: Kindle版

  • ジョン・ケネディ・トゥール『Confederacy of Dunces』、 フラン・オブライエン『The Third Policeman(第三の警官)』、サキの短編集、ウッドハウス、イーヴリン・ウォー、トム・シャープ

→(返信)そうだよ、ウッドハウスだ! 詩的な調べと言語に関して言えば真に完璧なんだから、知識人だって認めるでしょ。それに笑えるし。ジーヴズシリーズじゃなくてもいい、ブランディングス城ものとかスミスものとかでも。 フラン・オブライエンの『第三の警官』も賛成。自然で知的なウィットでこの本にかなう本は無い。不気味であり同時におかしいし。20世紀版のローレンス・スターンだ。
→(返信)なんでウッドハウスを忘れてたんだ
→(返信)フラン・オブライエンの『第三の警官』は素晴らしいね、シュールで愉快で。「明るい気分になる(uplifting)」とは言えないけど。心乱される感じだし最後が・・・。薦めたいけどね。

A Confederacy of Dunces (Penguin Essentials)

A Confederacy of Dunces (Penguin Essentials)


  • イーヴリン・ウォー『スクープ』

→(返信)(この質問者に答えるなら)間違いなく、イーヴリン・ウォーだよね


  • 良い物語には(私の場合は)高度な葛藤や緊張が要る。高度な葛藤は、幸福感とはあまり合わないものだよ。そう言っといてなんだけど、『パイの人生』はすごく良い小説だしハッピーだ。

パイの物語(上) (竹書房文庫)

パイの物語(上) (竹書房文庫)

The Life of Pi (Scholastic Readers)

The Life of Pi (Scholastic Readers)

  • 作者:Martel, Yann
  • 発売日: 2014/01/01
  • メディア: ペーパーバック

  • ステラ・ギボンズの『Cold Comfort Farm』で笑えなかったら終わってると思うんだけど

Cold Comfort Farm (English Edition)

Cold Comfort Farm (English Edition)


  • 文学小説の定義って、読みたいから読む小説じゃなくて、読まなくちゃいけないから読む小説ってことなんじゃないかと常々思っている。

→(返信)そういう意見言う人たちって、そいつらの意見と同じように古くてつまんないんだろうなと常々思っている。
→(返信)そういう返信するやつはヤなヤツなんじゃないかと常々思っている
→(返信)でもほんと文芸小説のちゃんとした定義をまだ知らないな。そのカテゴリに入ることを皆がよしとする本って義務で読む本が多い。そうじゃなければ、こんなふうに言う手段みたいな「あなたの読んでる本はゴミだよ、私はいい本読んでるけど」
→(返信)ここでジェイムス・ジョイスやジェーン・オースティン(両方私の好きな作家だよ)を熱心に薦めている人たちがただの気取り屋だって本当に思うの? 文学を愛する人は、傑作に対して実際自分と違うように感じているかもって想像するの、そんなに難しい? 私はオペラや数学の愛好者じゃないけど、そういう人達のことをムカつく俗物扱いするほど落ちぶれていない。

  • 文芸小説(文学的な小説)って何? もっと簡単に言うと、そうじゃない小説って何なの? 誰にそんなこと決められる? 私が基準にしている一つは、その本が再読あるいは何度か読める本かどうかということ。「プロットで読ませる」タイプの本はその基準を満たさないことが多いし、もちろん根本的な疑問があるよ、そういう本は時の試練に耐えうるんだろうか? 




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 以上、またまだ続きますが、だんだん「文学とはなんだろうか」とか「これ文学作品に入れていいのかわからないけれど」という前置きで紹介される作品が後半は増えて行きました。
 個人的には、「良い物語には高度な葛藤が要る」というコメントが印象的でした。確かに「お昼にとんかつを食べたい、でもコロッケを食べたい、どうしたらいいのか!!」という葛藤より、「この任務を遂行したら何千人もの命を救える、しかし妻と子を失うだろう」みたいな葛藤のほうが「文学的」な感じがしますもんね。
 でも、「とんかつかコロッケか」を芸術の域まで高めたら、それこそが真の芸術という気もします。できる人がいたらすごいです。

 それにしても、面白そうな本ばかりですよね。今日ほど「So many books, so little time」という言葉が身に染みたことはありません。貴重な英国ブックガイドになっている感じがします。

 皆さんも「ハッピーな文学」、良いのがあったら是非教えて下さい。

元記事:
Book clinic: I’m tired of gloomy books – are there any happy literary novels? | Books | The Guardian
www.theguardian.com

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(追記)
 コメント欄でfugalifeさんからロザムンド・ピルチャーの本が「ハッピー文学」として思い浮かんだ、という情報をいただきました。私は未読ですが簡単にご紹介。
 ロザムンド・ピルチャーは英国出身、短編やロマンス小説、女性文学などで多数の著作があり、大英帝国勲章受勲。残念なことに昨年2019年に亡くなっておられます。代表作は『Shell Seakers』。なぜかドイツで人気があるそう。

The Blue Bedroom and Other Stories (English Edition)

The Blue Bedroom and Other Stories (English Edition)

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